こんにちは!yoshiです
GTD®の主要5ステップはなんとなく理解しました。
早速始めたくてうずうずしています。何から始めればよいですか?
GTD®には最初にくぐり抜けるべき重要な工程があるんだ。
まずはそこから始めよう!
重要な工程とは?
GTD®における最初の重要な工程とは、「頭の中で気になっていることをすべて書き出す」ことです。
下記の前編で、「頭の中から短期記憶を追い出し、頭の中をからっぽにして生産性・創造性を上げる」というお話をさせて頂きました。
生産性と創造性UP!人生をシステム化するGTD®のススメ!知識編
この目的を達成するために文字通り、全ての気になることや、やりたいこと、考えなどを頭からすべて引っ張り出す必要があります。
例えば、
- いつかやろうと思っている最近のモダンな言語の習得
- 今度行きたいと思っている旅行の計画
- ほしいと思っている本
…などなど、気になっている分野などの中長期的なものから、近々の明日やらなければならないことなどのありとあらゆる、この後の人生でやっておきたいこと、気になっていることを全て洗い出します。
この作業はDBやメモリのDumpファイルを取るということに近く、ブレインダンプと呼ばれたりします。
全て書き出すことによって、ようやく脳はその持って置かなければならない情報を捨てることが出来るようになります。ある意味脳のデトックスです。
ブレインダンプの有名なエピソードがあります。
アメリカで鉄鋼王として有名なアンドリュー・カーネギーは、押し寄せる悩みに押しつぶされそうでした。
ついにある日、自殺を決意します。
そして、拳銃を探そうと引き出しを漁ったところ、引き出しの中の白紙の便箋が目に止まります。
ここで彼は、「自分を自殺まで追い込んでいる悩みはいくつ有るんだろう…」と疑問を持ちます。
どうせ死ぬんならと、その便箋に全ての悩みを吐き出しました。
するとどうでしょうか、「500個だろうか、1000個だろうか」と考えた悩みは実は100個もなかったのです。
彼はその書き出した悩みを分類分けしていきます。
そうして、自分の力でどうにもならない悩みはゴミ箱に捨て、
それ以外を引き出しにしまい、自殺を思いとどまったのです。
そのぐらい、頭の中のものを吐き出すというのは効果のあることなのです。
現在でも精神科の治療としても使われることがあります。
ブレインダンプのポイントは、
頭から情報を引っ張り出すときにやる・やらない・要・不要の判断をしないことです。
これが良くない理由は2つあります。
- 時間がかかりすぎてしまう
- 脳が無意識でフィルタリングしてしまい全て出すことができなくなる
時間がかかりすぎてしまうのは、都度判断が入ってしまうからです。
一度に実施する工程はシンプルであればあるほど、効率は上がっていきます。
脳がフィルタリングしてしまうのは、思考が「全てを引っ張りだす」から「必要そうな事を考える」に変わってしまうからです。こうなると、自分の意識上に上がってくるのはある程度フィルタリングされたものとなってしまい、目的である頭を空っぽにする、が実践できなくなってしまいます。
そして、前回の2番目出てきた工程「見極める」を行います。
対象は、引っ張り出してきた一つ一つの事柄についてです。
そうです。この作業、結構時間がかかります。
集中して時間を取ることができれば1日で終わるという方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、通常は3−4日。
ちょっとずつやっていくとすると、1週間〜2週間程度かかることもあります。
しかし、ブレインダンプを行う事によって、人生においてあなたが記憶しておかなければならないものは、全て外部にある状態となります。あとはこのメモ達を、適切タイミングで引っ張り出せればよいわけです。
この引っ張り出すためのノウハウがまさにこのGTD®となります。
では早速、GTD®という名のシステムを、人生という名の日常にインストールしましょう!
Index 閉じる
GTD®はどうやって始める?
GTD®を始めるためには以下の2つを準備する必要があります。
- ブレインダンプとその見極めの実施
- GTD®を実現するツールの構築
ブレインダンプとその見極めの実施
記事の冒頭でお伝えしたブレインダンプを実際に実施してみましょう。
書き出す媒体は紙でも電子メモでもどちらもで大丈夫です。好きな方を使っていただくのがよいと思います。
私は紙で実施しましたが、おすすめは断然電子メモになります。
あとで、見極める時に電子データの方が扱いやすいからです。
電子データにした場合、少し工夫しないと一覧性が下がってしまいます。
このあとのご紹介する方法では、そのあたりは改善しているので、ぜひとも読んでみてください。
電子メモでブレインダンプのやり方
電子メモでブレインダンプを行う場合、ツールが必要なります。
いわゆるノート・メモアプリのジャンルのツールが必要になります。
このジャンルのツールはものすごく奥が深く、素敵なツールもいっぱいあるのですが、書き出すとすごいボリュームになってしまいます。
そこで今回は、私の愛用している「Obsidian」というツールを前提にやり方をご紹介します。
- 「Obsidian」をお使いのPCにインストールします。
- イントールし設定を完了させます。
- 新規ノートを開きます。
- ノートに気になっていること・いつかやろうとおもっているものなどを、頭が空になるまで、箇条書きでとにかく書き出す
- 大量に出てきた箇条書きについて、一つ一つ「見極め」を行います。
- 「見極め」た箇条書きの情報を各カテゴリ(Calendar/Waiting/いつかやる…)に分類します。
ポイントは2つです。
1つ目は、4でその時点で思いつく限りを書き出す事が重要です。
もちろん、抜け漏れがあっても大丈夫です。あとで追加すればいいだけなので。
とにかく、「空になった」「もうないぞ」と実感することが大事で、完璧を目指す必要はありません。
そして、これ、めちゃくちゃ疲れます。
ですので、休日に集中して行うなど、やるタイミングは見極めた方が得策です。
2つ目は、6で如何にアクセスしやすくノートを構築するかが重要になります。
これについては正解がなく、使いやすさをブラッシュアップしていくのがオススメです。
参考までに以下で私が実施しているやり方を紹介します。
ここについては様々な人が色々なやり方を模索しているようなので、調べてみると面白いかもしれません。
Obsidianにある機能であるハッシュタグを利用しています。
Twitterにあるハッシュタグと同様の機能です。
フォルダ構造を決めて厳格に管理するような従来のフォルダ設計では、ノートアプリでは柔軟性に欠けます。
ノートアプリでは、メモとして階層を意識せずに使いつつも、あるまとまりで情報の塊を引っ張り出せる方がより、柔軟に変更や取り出し、付け替えが可能なため、重宝します。
やり方は簡単で、カレンダー、待ちリスト、参考資料、いつかやるものといった「見極める」のフェーズで登場する各フォルダイメージのハッシュタグを決めておき、見極めたタイミングでそれらのハッシュタグをつけていく、という方法です。
例えば待ちリストのノートには必ず#Waitingとタグをつけておけば、そのタグで検索することで、待ちリストが即座に引っ張り出せるというわけです。
ハッシュタグが、Twitterのように多人数が雑多に書き込むものに分類をつけるという発想のもとデザインされた機能なので、メモのように雑多につくるものを管理するのに非常に便利です。
このようにして、頭にあるいつかやろう、引っかかっていることなどをとにかく引っ張りだし、その「見極め」を行います。
この「見極め」までが完了すると、自分の人生が完全に自分のコントロールのもとにあるような、少なくとも何をすべきか、何をしたいかははっきり言える、という非常にスッキリとした気持ちになることが出来ます。
GTD®の続けるコツは?
ブレインダンプが出来てしまえば、あとは日常で思いつくあらゆる物を、溜め込み→見極め→実践→棚卸し→溜め込み…のループを繰り返して、改善していきます。
まさにPDCAのサイクルとほぼ同じですね。
さて肝心な続けるコツは、「あなたがこのメソッドで、利益(インセンティブ)を感じること」です。
え、そんな事?当たり前じゃないですか。
そうです。
とても当たり前のことですが、往々にして見失いがちです。
結局、GTD®もメソッド(手段)でしかありません。目的ではないのです。
もし、手段が目的化してしまうとどうなるでしょうか。
手段が目的化…
つまり、何かをすることで、得られる結果が大事なのに、
いつの間にかそれをすること自体に価値があると感じてしまうこと、ですよね。
その通りです。
そうやって得られる結果よりも、手段にこだわってしまい、応用が効かなくなり、本質を見失います。
俗に言う、お役所仕事というものです。
しかし、これは良い・悪いということではなく、人間という生き物の仕様です。
日々たくさんの課題と向き合う人類はなるべく簡略化することを是としてきました。
そのため、今目の前にない報酬(得られる結果)よりも、目の前にある報酬(する事自体)に価値があるとした方が脳とってはイメージしやすく理解にエネルギーを使わないのです。
ですので、皆さんにはその脳の仕様を理解した上で、GTD®という「手段」を使って、頭の中をスッキリさせ、「脳には思考すること」を、「紙やPCには記憶すること」を、つまり適材適所を実践することを目的として実践していく事が大事です。
それによって、次の新しい技法、より良いやり方を見つけたときに柔軟に乗り換えて行くことができます。
車があるのに、いつまでも馬車に乗って時間を失う必要はないのです。
馬車のように物質的に見ることができれば話は簡単です。
しかし、これは目に見えない思考というものです。
なので、よくよく話を聞いてみると、未だに思考は「馬車に乗っている」という人は、いくらでも存在するということを私達は知っておく必要があるのです。
まとめ
2回に渡って紹介してきました、GTD®でしたが、いかがでしたでしょうか。
GTD®は自分の頭の中を整理するための非常に優れたシステムです。
自分というリソースを効率良く使うために考え出された、先人の知恵であるとも言えます。
車輪の再発明をして、時間を無駄にしないためにも、まずは巨人の肩に乗って、遠くを見渡すのがよいのではないでしょうか。
また、ここで紹介した情報、GTD®の入門としては十分ですが、マスターになるためには、更に知識・情報が必要になると思います。このブログでも、良いものがあれば紹介していきます。
もし、GTD®に興味を持って、そしてあまつさえ実践しようと考えて頂ける人が一人でも増えたら嬉しいです。
わからないことはコメント欄に記載ください。誠心誠意回答します。
ではまた!