Engineers Akademeiahttps://engineers-akademeia.com変革の波に乗るSEのための生存戦略Fri, 01 Dec 2023 10:13:45 +0000jahourly1https://engineers-akademeia.com/wp-content/uploads/2023/04/cropped-10042023101454A-32x32.pngEngineers Akademeiahttps://engineers-akademeia.com3232 菜根譚で学ぶ処世術!下巻https://engineers-akademeia.com/%e8%8f%9c%e6%a0%b9%e8%ad%9a%e3%81%a7%e5%ad%a6%e3%81%b6%e5%87%a6%e4%b8%96%e8%a1%93%ef%bc%81%e4%b8%8b%e5%b7%bb/330/https://engineers-akademeia.com/%e8%8f%9c%e6%a0%b9%e8%ad%9a%e3%81%a7%e5%ad%a6%e3%81%b6%e5%87%a6%e4%b8%96%e8%a1%93%ef%bc%81%e4%b8%8b%e5%b7%bb/330/#respondFri, 01 Dec 2023 10:13:42 +0000https://engineers-akademeia.com/?p=330

事前にすべきこと Index 閉じる 事前にすべきこと 脱出ルート確保が先 人生を上手に生きる 幸せとは? まとめ 脱出ルート確保が先 満腹したあとで味のことを考えても、もはや、うまいかまずいかの識別すらつかなくなってい ...

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yoshi
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中国古典である菜根譚のある種の注釈本とも言える守屋洋さんの「世界最高の処世術 菜根譚」(SB Creative)を紹介してきます。中巻の続きです

事前にすべきこと

脱出ルート確保が先

満腹したあとで味のことを考えても、もはや、うまいかまずいかの識別すらつかなくなっている。房事のあとで男女の交わりを思っても、もはや、そんな欲情はどこかに消し飛んでいる。 いつも事後の悔惧を思い起こして、事前の迷いに対処すれば、それなりに腹もすわって、誤りをなくすことができるであろう。

世界最高の処世術 菜根譚

この章は、実行する前の計画のうち、何が一番大事かを教えてくれています。

それは、「その行動の結果、最悪何が起こるかを想定しておけ」、ということです。
最悪を想定しておけば、それを回避するために事前に計画が立てることでしょう。

これは「死亡前死因分析」という名で概念としても存在しています。

やり方は簡単で、何か重要な決定に立ち至ったとき、まだそれを正式に発表しないうちに、その決定をよく知っている人たちに集まってもらう。そして、「いまが一年後だと想像してください。私たちは、さきほど決めた計画を実行しました。すると大失敗に終わりました。どんなふうに失敗したのか、5 ~ 10分でその経過を簡単にまとめてください」と頼む。
クラインはこの方法を「死亡前死因分析(premortem)」と名付けている。

ファスト&スロー: あなたの意思はどのように決まるか?(下)』 ダニエル・カーネマン

このように、新しいと思っていたものが、実は古典の教えの現代語訳というのはよくあります。
というよりも、「前回」お話した通り、このような焼き直しが多々見受けられるのも、人間の精神は古代からあまり成長していない証拠と言えるでしょう。

話を戻します。
実行する前に悩む場合、まずはその行動をした時の最悪を考え、それが受け入れられるものなのか、それとも、回避できるのか、あるいは発生確率を下げることで受け入れることができるのかをしっかりと考えようというのがこの教えです。

例えば、新しいパソコンを買うかどうか迷っているのなら、そのパソコンで失敗したケースを考えてみるといいかもしれません。
実はスペックが足りなくて目的のゲームが動かない、とか、数日しか経ってないのに落として画面を割ってしまって使えなくなってしまう、とか。

それが想定できていれば最初からケースを買うとか、スペックは余裕をもたせるとか、そもそも買わないなど色々検討の幅が広がるのではないでしょうか。

その上で、買うと決断したのであれば、最悪のことはもう想定外ではありません。

人生を上手に生きる

幸せとは?

子どもが生まれるとき、母親の生命は危険にさらされる。財産が多くなれば、それだけ泥棒に狙われる。どんな幸せも不幸のタネにならないものはない。 貧乏だと、極力むだ使いを避けるし、病気がちだと、ふだんから健康に気をつける。どんな不幸も幸せのきっかけにならないものはない。 幸せも不幸も同じことだ とみなし、喜びも悲しみも忘れてしまうのが、達人の生き方である

世界最高の処世術 菜根譚

幸せは、不幸と表裏一体であると、といた章です。
これは道教の影響を受けていると言えます。

名と身とは孰(いず)れか親(した)しき、身と貨とは孰れか多(まさ)れる、得ると亡(うしな)うとは孰れか病(うれ)いある。是の故に甚だ愛すれば必ず大いに費(つい)え、多く蔵すれば必ず厚く亡う。足るを知れば辱しめられず、止(とど)まるを知れば殆(あや)うからず、以て長久なる可し。

『老子』44章

ざっくり訳すと下記となる。
「”名声”と”体”、どちらか大事だろうか?”体”と”お金”どちらが大事だろうか?「何かを得ること」と「何かを失うこと」どちらが悲しいだろうか?たくさん欲しがれば大いにお金を使い、たくさんお金を集めれば必ずたくさん失う。”今で十分であること”、”自分欲望を止める”ことを知れば失敗しない。平穏長く暮らすことができるだろう」

結局、十分で有ることを知らないことが諸悪の根源なのだ、と説いています。私の大好きな考えです。

また、ある統計でも年収800万を超えたあたりから、幸せに感じるピークを超え、幸せと年収が比例しないという研究結果も出ています。

上座部仏教でも、「この世は苦しみ」であると説いており、幸せだろうが不幸せがベクトルが違うだけで、結局同じものであるという教えています。

これは人と比べるのではなく、自分が満ちたりた気分になることができる部分でやめることが重要であるということも教えています。拡大ばかりで疲れてしまった人の癒やしとなる、章なのではないでしょうか。

まとめ

もっともっと紹介したい章がありますが、一旦ここまでで!

いかがだったでしょうか。
感想を是非コメント欄や、Xで共有してください!
あなたのフィードバックが何よりの私のご褒美です。
ではまた!

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自分の鍛え方 このブロックでは、自分の鍛えるための心構えを説く章を2つ紹介したいと思います。 Index 閉じる 自分の鍛え方 ピンチこそ、チャンス ネガティブなフィードバックこそ、成長のチャンス 組織で生きるための処世 ...

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yoshi
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中国古典である菜根譚のある種の注釈本とも言える守屋洋さんの「世界最高の処世術 菜根譚」(SB Creative)を紹介してきます。今日はきちんと本文紹介します

今回は、お願いしますね

自分の鍛え方

このブロックでは、自分の鍛えるための心構えを説く章を2つ紹介したいと思います。

ピンチこそ、チャンス

逆境にあるときは、身の回りのものすべてが良薬となり、節操も行動も、知らぬ間に磨かれていく。 順境にあるときは、目の前のものすべてが凶器となり、体中骨抜きにされても、まだ気づかない

世界最高の処世術 菜根譚

最初からなかなか、骨太な教えを持ってきてみました。
この章は、2つ重要な事を示唆しています。

一つは、成長したければ逆境に身をおけ、ということ。
もう一つは、順境に長くいると、成長が止まる、ということ。

質実剛健な教えですが、的を射たアドバイスかと思います。
人間ですから、楽な方、楽な方へ流れていってしまいます。
もし、成長したいなら逆境に身を置く必要があることを伝えようとしています。

1年前、私はまさに順境にいたと思います。
PMとして安定稼働しているSaaSパッケージを前任者から引き継ぎ、10名程度の社員とメンバをまとめていました。
が、これが本当に退屈でした。

刺激がすくないのです。まさに順境。
「新しい技術が新しい刺激を生む」とは言いませんが、この2020年代にJavaで巨大モノリシックなJSPのWebアプリケーションは非常面白くありませんでした。

主な作業はエンハンス。
化石とも思えるJavaのライブラリを使用しながら、親会社が決めてきた要件を整理し、それを今の処理に組み込んでいくのです。ただでさえ、安定稼働しているソフトウェア。
ミスは許されませんが、慎重になるほど難しい案件でもない。まさに順境と呼ぶにふさわしい状態です。

自分が骨抜きにされていく感覚がたしかにありました。確かに仕事はあり、忙しいのですが、面白くないんです。
しかし、気心のしれたメンバーと、優秀な人材に囲まれた仕事はとにかく心地よかったことは覚えています。

結局、そこから希望を出し、転換することとなりましたが、体一つで飛び出して本当に良かったと思います。
あのまま、二年前はコンテナすらしらないエンジニアで満足していたら、未来が不安で不安で仕方なかったと思います。

今は、最新技術に触れながら、自己研鑽をしています。
新しい人やそこで出会う技術、考えはわからないことだらけですが、非常に刺激を受けました。
また、順境いたときには体験できなかった体験をたくさんしています。

この章にある通り、逆境こそが人を成長させるのは、間違いありません。
あとは自身がその覚悟を持てるかどうか、その一点にかかっていると思います。

ネガティブなフィードバックこそ、成長のチャンス

たえず不愉快な忠告を耳にし、思いどおりにならない出来事を抱えていてこそ、自分を向上させることができる。耳に快いことばかり聞かされ、思いどおりになることばかり起こっていたら、どうなるか。自分の人生をわざわざ毒びたしにしているようなものである

世界最高の処世術 菜根譚

こちらも、前章の逆境に見を置くことと似ていますが、少し趣が異なります。

不快な忠告は本当に嫌です。
「これじゃ、だめだ」「全然理解できない」「どう考えたら、この結果になるんだ」
これらのネガティブなフィードバックは、真正面から受け止めようとすると、本当にイライラします。

この原因の一つは、このフィードバックを受けると自分でやること・考えることが増えるのでストレスがかかるのです。

「ここはこうした方がいい」、「こういうふうに変更すれば理解できる」「もっと過程を可視化してほしい」と言った
”改善点の指摘”と比べると、その違いが解ると思います。

”改善点の指摘”は、すぐに行動に移すことができます。
こうした方がいいに沿って、行動すればよいのです。

しかし、ネガティブなフィードバックは、だめだったことはわかるのですが、それ以上の情報はありません。
自分で改善点を考え、試行し、あっているかどうか確かめなければならないのです。

これが圧倒的に面倒=不快な原因の一因です。
そもそも、ネガティブな事を言われて心がざわついている中で、それらを実行しなければならないのです。

しかし、これは圧倒的に成長できるチャンスでもあります。
“改善点の指摘”の場合、それがどういう思考過程を経て指摘されたものか判断できない場合が多いため、
再現性が低くなってしまいます。
これは、根本原因を特定せずに、応急処置で対応するに等しいです。
病院に言ったら、薬だけ渡されて、様子を見ましょうと言われるのが近いかもしれません。

しかし、自身で考える必要があるネガティブなフィードバックは、どこが悪かったかを”自分自身”で考える工程があるため、それが正解だった時、また同じ観点で見直すことができるので、再現性が高くなります。

だからこそ、思い通りになっている状況というのは非常に危険な状態です。
それは、”周りが合わせてくれている”のか、”周りがわかって言わない”のか、”自分が完璧”か、の3択です。
人間誰しも間違うし、欠点があります。ネガティブな指摘がないのは非常に危険な状態です。

そもそも、一番最後はありえないでしょう。
とすると、残り2つが残り、どちらもまずい状態なのは間違いありません。
ネガティブなフィードバックがきたら、ご褒美だと思って、自分で色々試行錯誤して見る心意気、これが必要です。

組織で生きるための処世術

敵を最後まで追い詰めない

有害な人物を排除するにしても、逃げ道だけは残しておかなければならない。逃げ場まで奪ってしまうのは、ネズミの穴をふさいで退路を断つようなもの。それでは、大切なものまですべてかじり尽くされてしまう

皆さんは、ちょっと前に流行った「半沢直樹シリーズ」をご存知でしょうか。
銀行員の彼が、銀行の不正を暴いていく、勧善懲悪なストーリーで広く受け入れられ、人気が出ました。

しかし、この半沢さんはクライマックスで、経営会議である役員に対して一ミリも逃げ道を用意せず、土下座を強要するという行動に出ました。結果、不正は暴けたものの、子会社に左遷させられてしまいます。

劇中その理由は語られませんが、おそらくその土下座強要をみた後ろ暗い所のある他の役員が、左遷を決めたのでしょう。
このように退路を立って、正義は我にあり、という振る舞いは、心情的にはスカッとするものの、現実的は避けたほうがいいという教えです。

逃げ道さえ用意しておけば、自爆覚悟の特攻を避けることができる、と戒めています。
追い詰められ、開き直った人間は何をするか予測ができません。
追い詰め過ぎてしまうと、後ろ足で砂をかけられるようなことも起きるでしょう。

何事もほどほどに。
予め用意しておいた逃げ道に沿って、穏便に退場いただくのが、スマートな対応なのではないでしょうか。

まとめ

もうちょっと紹介したい章がありますが、入りませんでした!
次回へ続きます。

次回予告

次回は、実際に菜根譚の言葉を引きながら以下のテーマでお伝えしたいと思います!
次回乞うご期待!

  • 人付き合いの極意
  • 事を始める前に、まず考えること

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なぜ「菜根譚」が今我々に必要なのか? 私は、この「菜根譚」を読んでまさに今我々に必要な考え方であると思いました。「菜根譚」にはこの変化の多い時代で、生き抜くヒントを与えてくれる、そんな内容になっています。 まずは、古典が ...

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yoshi
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今日は、中国古典である菜根譚のある種の注釈本とも言える守屋洋さんの「世界最高の処世術 菜根譚」(SB Creative)を読んだので、そのエッセンスをお届けしたいと思います。

「世界最高の処世術 菜根譚」ですか。中国古典とはまたジャンルが全く違いますね。
一体、どんなことが学べるのですか?

yoshi
yoshi

この本から学べることを下記の通り、SEの視点でまとめてみました!

  • 「仏教」「儒教」「道教」をマスターした作者から、穏やかに生きるヒントをもらえる
  • 自分では思つかないような考え方や、自分の心との向き合い方を学ぶことができる

穏やかな日々・平穏な暮らしを手に入れたいです!早く教えてください!

なぜ「菜根譚」が今我々に必要なのか?

私は、この「菜根譚」を読んでまさに今我々に必要な考え方であると思いました。
「菜根譚」にはこの変化の多い時代で、生き抜くヒントを与えてくれる、そんな内容になっています。

まずは、古典がなぜ現代に通用するのか、その問いに答えて行きたいと思います。

古典は現代に通用する?

なぜ古典が現代に通用するのでしょうか?
そこを疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、その答えは歴史が証明しています。

実は有史以来、人間は様々な失敗をしてきました。
その中には選択を誤って失脚したり、後継者選びに失敗して国を滅ぼしたり、台頭してきた考え方(宗教)を抑えきれず主導権を奪われたり、国同士であらそったり。

マケドニアのアレクサンドロス大王の場合

例えば、かつて古代のヨーロッパ(というか中東も)で広大な領地を得たマケドニアのアレクサンドロス大王の当方遠征をご存知の方も多いと思います。
このアレクサンドロス大王ですが、東に向かってガンガン攻め立て、ついにはインドに至り、ようやくそこで、ストップします。

そして引き返す道中で、病死してしまうのですが、その後継者について彼はこう言いました。
「最強のものが俺の後を継げ」
その結果、内輪もめの大混乱が起きます。
ヘレニズム文化といったいくつかの文化を残しつつも、国は早々に滅びてしまいます。

広い領土が滅びを生む、問題だけを見てもその例は枚挙に暇がありません。
日本を脅かした元寇で有名な「元」もそうですし、第二次世界大戦前の「イギリス」も結局その広大な土地を失っています。

人類の失敗は精神的に成長していたら避けられるのか?

それらは結局、なにか革新的な精神の成長したが、避けることができない、つまり、やむを得ず同じ失敗を繰り返しているのでしょうか。

決してそうは言えないと思います。

拡大につぐ拡大は巨大な富を生み出し、それが次へ次へと欲望のままに拡大させるのは人間の根幹の欲望が、そうさせているとは考えられないでしょうか。

そう、このような問題は、精神的には変わらず同じ失敗を繰り返している、といっても過言ではない状態です。
ただし、技術によって規模が大きくなっています。
質が悪くなっていると言えるかもしれません

だからこそ、このように人の精神を説いた古典は普遍であり、重宝され続けているのです。

日本近代化の父で、福沢諭吉の次に1万円札の顔となり、中国古典「論語」を愛した渋沢栄一もこう言っています。

昔の聖人や賢人の説いた道徳というものは、科学の進歩によって物事が変化するようには、おそらく変化しないに違いないと思うのである。

現代語訳 論語と算盤 渋沢栄一 守屋淳

渋沢栄一が正しいと仮定すると、歴史は繰り返すその原因は、我々の心理面の進歩のなさが、それを引き起こしていると思えてこないでしょうか。

我々人類は、古代メソポタミア文明の文字という発明によって、時を超えた古代の叡智にふれることができるのです。
それが古典であり、今なお、有用である書物なのです。

中国古典が日本人に合う理由

日本は古代から中国に思想や文化面で様々な影響を受けてきました。
何気なくこうして使用している日本語も、もとを正せば中国の漢字が由来です。

文字が同じだからといって、思想まで同じなのか?
次はその質問について回答していきたいと思います。

一番最初に輸入されたのは、「仏教」

そんな我々日本人が古代中国から真っ先に輸入したもの、それが仏教です。
蘇我氏と物部氏が対立したという日本史の冒頭の「大化の改新」を覚えていますでしょうか?
あの対立の原因は仏教を日本に取り入れるか取り入れないかを争っていました。

ちなみに、日本に入ってきた仏教は中国の影響で大乗仏教と呼ばれる、ある種緩めの仏教であります。
キリスト教や、イスラム教と「外部に救い求める」という意味で似ています。
つまり、神様や仏様に救って”もらおう”という考え方です。

余談ですが、上座部仏教(原始仏教とも)呼ばれる、「すべての悩みの原因は自分の心にある」という質実剛健な仏教があり、私はこちらが好きなのですが、いつの世も大衆が求めるのは気軽で安寧な考えなようです。

江戸時代に「儒教」は権力とくっついた

そんな日本ですが、中国から輸入して現代の我々の道徳観の基礎となっている考えがあります。
それが紀元前に成立した「儒教」です。

「儒教」は江戸時代に徳川家康が日本を統治する際に利用した思想になります。
「儒教」は宗教色が非常に薄く、その教えの根幹は年上・権力に逆らってはいけないという思想で、
統治者が「仏教」という文化の上にアドオンするには、非常に便利な思想でした。

今でも年功序列の考え方が色濃く残っていますが、これがまさに「儒教」の考え方です。
我々は紀元前に成立した教えをベースにこの現代を生きているのです。

儒教=意識高い系?

一方で、「儒教」の原典であり、渋沢栄一も愛した「論語」は現代風に言うならば、「意識高い系」の部類に入る教えになります。
学問を治め、それにより正しく自分を律し、年上に礼を尽くす、というのが儒教の根幹になる教えです。
ただし、学問ばかりを治めそれを実践しない人は悪い人と定義され、逆に学がなくても年上を敬い礼節にかなっている人は良い人であると定義されていました。

秩序を乱さず、年上を敬い、自らは欲望を律する。
このような事を理想とすると、なるほど下剋上のような上が下を圧倒して秩序を乱すということは起こりにくいと考えられます。さすが江戸時代300年を作った徳川家康です。よくできていますね。

逆に言うと、この教えには息苦しさを感じる人も多いかもしれません。
全てにおいて「身の丈にあった」ものを求めるこの儒教は、拡大を求める人間の欲望とは相反しているように思われます。

そんな意味を踏まえて、「意識高い系」という言葉を使いました。

儒教とは全く逆の教え、「道教」

そんなエリートや統治者に好まれた「儒教」ですが、それに対抗する形で存在するのが「道教」になります。
これは、日本に入ってきたのは3世紀〜4世紀と古いものの、時の権力者に重用されなかったため、
表舞台に出てくるというよりは一般市民に親しまれていた思想です。

特に中国で、現代でこそその特性上、宗教が表に出てくることはありませんが、「儒教」「道教」はどちらも宗教色が薄く、どちらかといえば「儒教」がエリート、「道教」が一般庶民に親しまれたようです。

その教えは、「知識が増えるから悩みが増えるのだ」、「自然体でいることが何よりも大事だ」、「たくさんお金があれば、それだけたくさん心配ごとも増える」というのが根幹の教えになります。

知らなければ幸せで居られる、たくさんなければ失うものも少ない。
言ってしまえば「意識低い系」ですが、身の丈にあった生活こそが幸せの原点であるという教えは、拡大することを是とした現代人は一考すべき示唆を持っている考えといえます。

「身の丈にあった」という部分は「儒教」「道教」でも共通しており、
それを別々の方法で説明していると考えると、とても興味深いですね。

菜根譚とは?

今回の古典「菜根譚」ですが、実はこの「仏教」と「儒教」、そして「道教」の交差点にいる思想・処世術となります。
これら3つをしっかりと学び、処世術として落とし込んだ洪応明という中国の科挙を突破した士官が晩年に作成した書物になります。成立は明の時代であり、日本ではちょうど室町幕府〜江戸初期の時期でした。

この本を表す一文をこの著者のまえがきから引用したいと思います。

たとえば、功名富貴の追求を説きながら、一方では悠々自適の生き方にも共感しています。また、厳しい現実を生きる処世の知恵を説きながら、悩める心の救済にも救いの手をさしのべています。また、隠君子の心境に共鳴しながら、実社会に立つエリートの心得を説くことも忘れてはいません。

このように、どれか一つでは極端すぎたり、ちょうどよくない「仏教」「儒教」「道教」を適切なバランスで配合し、人生の実践的な教訓譚として書かれているのが、この菜根譚です。

まとめ

日本人に親和性の高い、中国の思想である「仏教」「儒教」「道教」の3つをハイブリッドしたのが、この「菜根譚」です。次回はその中から私が、おすすめの章をピックアップして紹介していきたいと思います。

次回予告

次回は、実際に菜根譚の言葉を引きながら以下のテーマでお伝えしたいと思います!
次回乞うご期待!

  • 自分の鍛え方
  • 組織で生きるための処世術
  • 人付き合いの極意

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NEW POWER これからの世界の「新しい力」を手に入れる!https://engineers-akademeia.com/new-power-%e3%81%93%e3%82%8c%e3%81%8b%e3%82%89%e3%81%ae%e4%b8%96%e7%95%8c%e3%81%ae%e3%80%8c%e6%96%b0%e3%81%97%e3%81%84%e5%8a%9b%e3%80%8d%e3%82%92%e6%89%8b%e3%81%ab%e5%85%a5%e3%82%8c%e3%82%8b%ef%bc%81/302/https://engineers-akademeia.com/new-power-%e3%81%93%e3%82%8c%e3%81%8b%e3%82%89%e3%81%ae%e4%b8%96%e7%95%8c%e3%81%ae%e3%80%8c%e6%96%b0%e3%81%97%e3%81%84%e5%8a%9b%e3%80%8d%e3%82%92%e6%89%8b%e3%81%ab%e5%85%a5%e3%82%8c%e3%82%8b%ef%bc%81/302/#respondFri, 17 Nov 2023 10:38:09 +0000https://engineers-akademeia.com/?p=302

では早速詳しく見ていきましょう! 1.NEW POWERとは Index 閉じる 1.NEW POWERとは ことのはじまり この力の正体? ではなぜこの分散型の力が「ニューパワー」と呼ばれるのでしょうか? 「ニューパワ ...

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yoshi
yoshi

今日は、ジェレミー・ハイマンズ、ヘンリー・ティムズさん・訳:神埼朗子さんの「NEW POWER」(ダイアモンド社)を読んだので、そのエッセンスをお届けしたいと思います。

「NEW POWER」ですか。力は常にほしいですが、新しい力というのは、興味深いですね。
一体、どんなことが学べるのですか?

yoshi
yoshi

この本から学べることを下記の通り、SEの視点でまとめてみました!

  • バズるために必要なNEW POWERとは何なのか?バズりをブームで終わらせないためには、何が必要なのか?
  • その力を適切なケースに適切なタイミングで使うために必要なこととは?

バズりたいです。早く教えてください!

では早速詳しく見ていきましょう!

1.NEW POWERとは

ことのはじまり

アメリカで一昔前に起こったMeToo運動や、アイス・バケツ・チャレンジをご存じでしょうか?

これらはすべて、ある一つの少数でムーブメントが、全世界に開かれたプラットフォーム上で拡散されることで、またたく間に全米や全世界に広まったムーブメントです。

MeToo運動では、米国である映画界の重鎮が、その暴力の代償としてその座を引き釣り降ろされてしまいました。
アイス・バケツ・チャレンジでは、ケンタッキー州で行われていたローカルなチャレンジが、学生・主婦と徐々に広がりを見せる中、ある有名な元野球選手でALS患者の選手がSNSにアイス・バケツ・チャレンジを投稿したことで、世界中の人気に火がつきました。
その後の展開は、よくご存知かもしれません。
みなさんがメディアで見てきたとおり、ムーブメントは海底ケーブルを通って地球の裏側の日本まで回ってきたのです。

そう、我々は一つの目標に向かって、見ず知らずの群衆が集団で行動した時、とてつもない力を生むことをすでに何度も目撃しているのです。

この力の正体?

この力は一体なんでしょうか。

これを作者、ジェレミーは「ニューパワー」と名付けました。

「ニューパワー」を自分なりに一言で表現すると「分散型の力」と表現するできます。

「分散型の力」は誰かトップがいるわけではなく、全員がそれぞれ役割を持ち、全員がひとつの世界観、目的を共有するときに生み出される力です。

反対の「集約型の力」とは、ある一部の権力者がすべてを牛耳るという、今まさに社会や会社で実現させれている権力構造です。これをジェレミーは「オールドパワー」と名付けました。

ではなぜこの分散型の力が「ニューパワー」と呼ばれるのでしょうか?

この力は一部権力者がメディアを牛耳ることによって独占していた力だったのですが、
SNSにより、「情報の民主化」という技術革新が行われた結果、大衆に「開放された力」=「新しい力」となったのです。

そういった意味で、これは「メディアの力」を我々が利用できるようになった、と言い換えることができるかもしれません。

そもそも、情報とはあらゆる意味で重要なものになります。

携帯電話の無い時代の待ち合わせを想像すれば、用意にその便利さが理解できると思います。
まず、待ち合わせをするためにはきちっと時間と場所を決めておく必要があります。これが間違っていればまず待ち合わせは成立しません。十数メートルの範囲ですれ違って会えないなんてこともままあるのです。

また、情報という縦軸で歴史を見ると、情報を制した国がその時代の覇権をとっています。
フランス(神聖ローマ帝国)の腕木通信に始まり、イギリスの電信からアメリカのインターネットとその通信技術の革新はそのまま覇権国と密接に関わっています。ここについてはIT全史(中野明)の本が詳しいので、ご興味のある方はぜひ。

「ニューパワー」とは情報によって行動させる力

このように、「ニューパワー」とは「群衆が集団で行使する分散型の力」であり、それは「メディアの民主化」によって人々に開放されました。

次に、この力は現実世界にどのような影響を与えているのか、どのように使われているのか、その破壊力を見ていきましょう。

2. どうやって使われているのか?

どうやって使われているか?に関しては大きく2つ方向性があります。

一つは、企業が自身のビジネスを進めるために使う方向性。もう一つは、一般大衆が大きなムーブメントを起こして体制をひっくり返すために使う方向性。

企業がビジネスのために利用

企業が使う方向性の代表としてはAirbnbやUberがこの力を使っている言われています。
例えばAirbnbでは、顧客と顧客をつなげることに徹しています。つまり空き家を貸したい人と、旅行先で短期滞在したいしたい人というマッチングする場所としてのプラットフォームを提供しています。
Uberも同じで、車に乗りたい人と、車をうまく稼働させたい人を結びつけています。

ムーブメントを起こすため(一般が体制を超えるため)

こちらは、先に出てきたアイス・バケツ・チャレンジや、オープンソースによる開発もニューパワーと言えます。
大衆が起こした行動が、全体へと波及するこのうねりのような力を使っています。

3.どういう特徴があるか?

ニューパワーには以下の特徴があります。

  • 分散型の統治
  • コラボレーション、共有、オープソース
  • 徹底的な透明性
  • 自分たちでやろうの精神
  • 短期間の参加、全面的な参加

一方、オールドパワーには以下の特徴があります。

  • 集約型の統治、管理統制主義、制度尊重主義
  • 競争、独占、リソースの統合
  • 機密保持、公私の区別
  • 専門知識、プロフェッショナリズム
  • 長期の所属と忠誠、全面的な参加率は低い

このように、会社や、組織、国といったところにはオールドパワーがふんだんに使われております。
逆に最近のトレンドであるWeb3、ブロックチェーンなどに代表される分散型は、まさにニューパワーです。

4. どういうときに使うべきか?

これには4つの質問にすべてYesと答えられた時、ニューパワーはその真価を発揮します。
一つでもNoがあった場合、その力は半減するかオールパワーを引きづった考え方が一部に存在している可能性があり、うまくいかなくなる可能性が高くなります。

  • 戦略:良い結果を出すために、群衆を巻き込む必要があるか?群衆はあなたのアイディアを必要としているか?
  • 正当性:巻き込もうとしている群衆があなたを無視したり、目的や意図と違うことが実行される恐れが無いほど、あなたのアイディアには正当性があるか?
  • コントロール:一定の範囲内で、群衆の権利を委譲するつもりはあるか?予想外あるは次着の結果となっても、受け入れられるか?
  • コミットメント:群衆による関与を維持し、長期に渡って群衆の取り組みを促進する覚悟や、能力があるか?

このように、群衆の力をうまく利用するためには、群衆の必要性や、目的の正当性、コントロールを手放す覚悟や、関与を維持するための評価、仕組みを提供し続ける必要があります。

これが揃った時、そのプロジェクトは意義を持ち、巨大な力となり、企業という圧倒的な資本にまさることが可能となります。

これはまさにLinuxとWindowsの関係に似ています。
大衆が積み上げたLinuxというOSとMicrosoft という巨大資本が一社で作り上げたOS。
まさにオールドパワーと、ニューパワーのOSです。

5.まとめ

ニューパワーについてまとめていきたいと思います。

  • ニューパワーとは分散型で透明性が高く、継続してたくさんの人が関連し役割を持てる時、その真価を発揮します
  • ニューパワーは一度爆発すると、国家や企業を動かすほどの力になります。そのレベルに至るにはたくさんの共感者とそれなりの正当性が必要になります。
  • ニューパワーはいつでもどこでも使用できるものではなく、真価を発揮させるために、意義や継続できる仕組みを考えて群衆に対して方向性を示す必要があります。

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知的生産性のための科学的仮説思考!https://engineers-akademeia.com/%e7%9f%a5%e7%9a%84%e7%94%9f%e7%94%a3%e6%80%a7%e3%81%ae%e3%81%9f%e3%82%81%e3%81%ae%e7%a7%91%e5%ad%a6%e7%9a%84%e4%bb%ae%e8%aa%ac%e6%80%9d%e8%80%83%ef%bc%81/289/https://engineers-akademeia.com/%e7%9f%a5%e7%9a%84%e7%94%9f%e7%94%a3%e6%80%a7%e3%81%ae%e3%81%9f%e3%82%81%e3%81%ae%e7%a7%91%e5%ad%a6%e7%9a%84%e4%bb%ae%e8%aa%ac%e6%80%9d%e8%80%83%ef%bc%81/289/#respondTue, 14 Nov 2023 09:54:37 +0000https://engineers-akademeia.com/?p=289

では早速詳しく見ていきましょう! 1.ゴールを設定する 何かを実行する上で、ゴールを設定することは非常に重要な要素です。特にシステムエンジニアでは、自分でタスク管理をしながら、目的を達成することが求められるので、このゴー ...

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yoshi
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今日は、竹内薫さんの「知的生産性のための科学的仮説思考」(日本能率協会マネジメントセンター)を読んだので、そのエッセンスをお届けしたいと思います。

「知的生産性のための科学的仮説思考」…硬めのタイトルですね。
どんなことが学べるのですか?

yoshi
yoshi

この本から学べることを下記の通り、SEの視点でまとめてみました!

  • 誰も思いつかないようなオリジナリティあふれるアイディアを生み出す発想法を学べる!
  • 仮説思考によって、無駄を省き、業務を効率化して、定時帰りを実現!

どちらも気になります!教えて下さい

では早速詳しく見ていきましょう!

1.ゴールを設定する

何かを実行する上で、ゴールを設定することは非常に重要な要素です。
特にシステムエンジニアでは、自分でタスク管理をしながら、目的を達成することが求められるので、このゴールを設定する工程は非常に重要と言えます。

カーナビを想像してみてください、どこかに行くなるとまずは目的地を設定する必要があります。これがまさにゴールで設定です。

このゴール設定を誤っていると、道中どんなに急いだとしても、間違ったゴールに早くだけです。
必要なことはこのゴール設定に時間を十分にかける必要があることを認識することです。

この意識を持つだけであなたの生産性はぐっと上がっていきます。

2.手段を考える(仮説を立てる)

ゴールを達成するための仮説をたてるフェーズです。
以下の3点を意識して、仮説を立てましょう。

  • (最初は)正解である必要がない
  • 覆ることが前提である
  • 持っている情報でまずは立てる

仮説を立てる上でのポイントは「今ある情報で、今正しいと思える仮説を立てる」ことです。

どうせ仮説ですから、覆ったっていいんです。

もう一つ、仮説を立てる上でのプラスアルファは「常識・前提を捨てて、自分の知識と経験を信じる」というデカルト的な経験主義を追加したいところです。

地動説を唱えたコペルニクスは、当時ある情報でそうとしか思えないから、地動説という発想の大転換ができたのです。
当時の常識である天動説を疑い、観察結果から地動説という答えを導き出したのです。

だからこそ、「今ある情報で、今正しいと思える仮説を立てる」ことが重要なのです。

3.脳内シミュレーションを行う

仮説が妥当か検証してみるフェーズです。

脳内で試行錯誤することは、時間以外のコストが全くが掛かりません。

走り出さないと、試してみないとわからないというのは、一方で正論です。
しかし、それは一通り脳内でシミュレーションしてからでも遅くないのではないでしょうか。

私なんかがよくあるケースですが、ツールを設定することが目的になってしまうケースです。
いわゆる手段が目的化する、ケースには気をつけなければなりません。

そのツールを使って得られる成果は何なのか、その成果に見合う時間でそのツールに成熟できるのか?
そのあたりを、一度脳内でシミュレーションしてみるのを走り出す前に、考えてもいいのではないでしょうか。

特に、「どうすれば成功なのか」を意識することが大切です。

4.仮説を検証する

脳内シミュレーションをクリアした仮説は、実行しましょう。

実行から得られる情報は、言語化できないほど多量です。
言語がすべての情報を表現できるようになれば、インターネットはもっとすごいことになるかもしれません。
しかし、そうではないので、情報量という意味では、未だに現実世界が優位であることに間違いがありません。

実行するときには、想定通りであればそのまま結論に向かえばいいですが、想定通りでない時が腕の見せ所です。

想定とどこが異なったのか?何がイレギュラーだったのか?それらを一つ一つ言語化していくことで、仮説をブラッシュアップすることができます。

異なる部分を修正する仮説を立てればいいのです。この想定との差分がこのフェーズでの肝になります。

5.仮説を結論にする

検証した仮説を結論にするフェーズです。

結論にする前に、いくつか問いかけるべき質問があります。

  • それが最善の方法か?
  • 他に効率の良いやり方がないか?
  • 常識にとらわれた発想になっていないか?
  • 一歩引いて見た時に局所最適解になっていないか?

つまり、その仮説よりもっと良いやり方がないかを、継続的に検討しようということです

人類はまさに仮説と検証の積み重ねです。
検証の結果、これ以上の答えが出ないとされている分野や答えが今あると感じている方もいるかもしれませんが、歴史を学ぶとそんな常識は何度も破られてきています。

改善し続けることを意識する、これ以上の生産性向上施策があるでしょうか。

もし、このブログに小手先のテクニックを求めていらっしゃった方がいたら申し訳ないです。
このブログはあくまでもマインドセット(心構え)にこだわって行きます。

なぜなら、それが一番、費用対効果が高く、本質的なものだと信じているからです。

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「すごい効率化」:効率化するための知っておくべき情報3選https://engineers-akademeia.com/%e3%80%8c%e3%81%99%e3%81%94%e3%81%84%e5%8a%b9%e7%8e%87%e5%8c%96%e3%80%8d%ef%bc%9a%e5%8a%b9%e7%8e%87%e5%8c%96%e3%81%99%e3%82%8b%e3%81%9f%e3%82%81%e3%81%ae%e7%9f%a5%e3%81%a3%e3%81%a6%e3%81%8a%e3%81%8f/279/https://engineers-akademeia.com/%e3%80%8c%e3%81%99%e3%81%94%e3%81%84%e5%8a%b9%e7%8e%87%e5%8c%96%e3%80%8d%ef%bc%9a%e5%8a%b9%e7%8e%87%e5%8c%96%e3%81%99%e3%82%8b%e3%81%9f%e3%82%81%e3%81%ae%e7%9f%a5%e3%81%a3%e3%81%a6%e3%81%8a%e3%81%8f/279/#respondTue, 07 Nov 2023 10:12:37 +0000https://engineers-akademeia.com/?p=279

こんにちは!yoshiです この記事を読むとわかること では早速、張り切っていきましょう! Index 閉じる 1. 仕事を”効率よく”進めるための心構え 2. 目からウロコなテクニック テンプレートメモ ✕PDCA ○ ...

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こんにちは!yoshiです

yoshi
yoshi

今日は、金川顕教さんの「すごい効率化」(株式会社KADOKAWA)を読んだので、そのエッセンスをお届けしたいと思います。

「すごい効率化」タイトルがキャッチーで、非常に気になります。

この記事を読むとわかること

  • 仕事を”効率よく”進める上での心構え(マインドセット)がわかり、「効率向上の正のスパイラル」に突入できる。
  • 効率化を進める上で、人より一歩進んだテクニックで、仕事を光速化できる
  • 情報収集の本質がわかり、より情報強者になれる。

では早速、張り切っていきましょう!

1. 仕事を”効率よく”進めるための心構え

この本の一番美味しい部分をまずはお届けします。
それは、「定番化よりも、最善化」というキャッチフレーズです。

すみません、日本語でお願いします

yoshi
yoshi

ですよね、今から説明したいと思います


これは、効率良く進める時に陥りがちな罠を避けるためのフレーズになります。

たとえば皆さん、「効率よく仕事をしましょう、そのためにはショートカットを使いこなすのです!」という話を聞いたことがないでしょうか?

私は仕事の効率化の本が好きなので効率化関連の本を10冊以上読んでいますが、
全部の本に共通して、100%、ショートカットの話は出てきます。
まずはこれのような、定番の印象です。

使わなければならないとわかっているものの、
いまいち定着しなかったり、新しいショートカットを探すのが億劫になったりして、
結局コピペ(Ctrl + C / Ctrl + V)しか使っていません。

そうなんです、このショートカット問題、
使えば早くなるとわかっているものの、使うものを増やすのが非常に大変なんです。
そもそも、ショートカットはアプリ毎に異なっていて、共通性がないものも多く、ツールが変わると使えなくなったりして汎用性が低いんですよね。

yoshi
yoshi

だからこそ、
覚えて使おうとすると定着しなかったり、
そもそもショートカットがなかったりで、長続きしにくいんですよね。

そこで、「定番化よりも最善化」です。

ショートカットを覚える系の効率化は、小さいものをたくさん積み上げて、改善していく事で非常に強烈な効果を発揮します。

つまり、塵も積もれば山となる作戦が効果的です。

だからこそ、たくさん覚えて体に覚えさせる(定番化していく)というより、
すこしづつ改善していくという心構えの方が長続きしますし、結果的にものすごい効率を得ることができるのです。

「今日はこの作業をショートカットで行うようにしよう」とか
「この作業はよく繰り返しているから、ショートカットがないか探す」というように
すこしづつ、広げていくことが大事ということをこのフレーズは教えてくれます。

効率化はコツコツ積み上げるというマインドを持ちましょう。
大量の定番化を作るよりも、日々小さな改善を行っていくことが大事です。

2. 目からウロコなテクニック

ここでは、この本の中で紹介されていたてテクニックの中で、
あまり他の本で見られず、目からウロコだったテクニックを2つ紹介したいと思います。

テンプレートメモ

IME(Google日本語入力、Microsoft IMEなど)で単語登録をして、定型文の入力を省力化しましょう、というのはわりと、どの本でも紹介しているのですが、この本は、さらに一歩進んだ「テンプレート」化を提案していました。

単語登録の弱点は、改行を含んだ文字を一括で入力できないところにあります。
改行を含んだ文章を一気に入力できると、メールや会議の開催通知など、ある程度フォーマットが決まっているものに関しては相当な効率化を図ることができます。

この解決策の一つ提示されているが、この「テンプレートメモ」です。
ようは単純なメモ帳なのですが、

  1. 一意に検索できるワードとセットでテンプレートを保存しておく。
  2. その1ファイルから、メモ帳の検索機能で、特定の場所にジャンプし、そのテンプレートをコピーして使用する。

というシンプルな仕組みです。

これがいいな、と思った理由は、2つあります。
1つは、ファイルの共有が簡単であること。
2つめ、ツールに依存せず、文章が登録できると圧倒的に効率・汎用性が上がること。

順に説明します。

「ファイル共有が簡単であること」、これはシンプルに文字情報であるため、Google Keepなどのメモアプリに貼り付けておくだけで、どのデバイスからでもアクセスが可能なります。

別の環境に移行するとなった場合でも、このメモ帳を持っていけばノウハウを共有できるので移行が非常に楽です。

yoshi
yoshi

また、このメモを社内で共有してもいいかもしれません。
OSSのようにみんなで育てて行けば、組織全体の効率が上がる可能性を秘めています。

これらの利点は、このテクニックが、シンプルに文字情報ということから出てきています。

確かにPhraseExpressなどで、改行を含めた文章を自動で入力することは可能ですが、
アプリケーションであるため、可用性が低く、工夫の余地があまりありません。

ところがこのテンプレートメモは、シンプルであるがゆえに、奥深く工夫の余地がたくさん存在します。

一意の文字列をIMEの単語登録の組み合わせて使用する、とか
ちょっとした違いだけどこだわりがあるところだったり、ちょっと文意が違うのでバリエーションを増やしたいと時などはコピペしてしまえば簡単に増やせるなど

シンプルであるがゆえに、使いやすいのが、このテンプレートメモの特徴です。

テンプレートメモは、一意の文字+テンプレート文章というシンプルな構造。
だからこそ、移行しやすいし、工夫しやすい

✕PDCA ○CAPD

PDCAはご存知でしょうか。
PDCAとは、Plan Do Check Actionの頭文字をとった、
なにかを実行するときのプロセスのベストプラクティスというべき手法です。

しかし、この本の作者はPDCAは、効率が悪いと指摘しています。
そして、CAPDがよりよい方法である、と提唱しています。

違いはPから始めるか、Cから始めるかの違いです。
しかし、私はP(計画)が間違っているという、作者からの問題提起と受け取りました。

ゴールを検討・検証せず、Plan(計画)をたて、愚直にDo(実行する)というのでは遅いという話です。
そうではなく、ゴールを検証・検証し、何が目標達成に影響を与えるのか評価軸を決め、
それをもとに実行計画を作れ、
という意味をCAPDに込めていると思います。

具体例で考えて見ましょう。あなたがある資格試験に合格したいとします。

この時まずやることは、テキストを如何に終わらせるかではなく、
どのような問題が試験に出るのか、
合格した人はどのような勉強をしているのかをリサーチして、
それを計画に反映するということをすべきです。

作者は厳密にCAPDで回せ、ということを言いたいのではなく、
「計画はゴールから逆算して立てろ」という事をいいたい

ではないでしょうか。

ゴールを見ずに立てる計画は、今すぐやめよう。
ゴールから逆算して手順を決められたら、あなたの業務は、今すぐ改善可能

3. 情報収集を極める

この本で一番おもしろいなと思ったのは、情報収集についてです。

情報収集については、大抵の本では「自分で考えた仮説をもとに情報を集めろ」とか「良質な情報をつぶやく人をフォローし、その人がフォローしている人をさらにフォローしろ」のように情報の収集方法について、たくさん記載があります。

この本では、「情報を発信することが最大の情報収集である」という考えを提示しています。

これは私にとって、とても目からウロコの考え方でした。
なぜなら、情報を発信するためには、当然ながら自分が情報を持ってなければならないからです。

つまり、仮説をもって情報を集めろ、だとか、良質な一次情報を集めろ、というのはあくまで手段の話であって、
いかに手段が優れていても、自分に役立つ情報でなければ、意味がないのです。

アフリカに行く機会なんてないのに、アフリカ各国の治安に関する良質な情報を、素早く、大量にかき集めても、自分の人生には全く意味がないですよね。

ゴールがわかってないで情報を集めても、ゴミが効率良く集まるだけ、ということを、言い換えてくれているのだと受け取りました。

つまり、「情報発信したくなるほど情報は、自分にとっても重要な情報」であるということと、
「人に説明するには、それなりの情報を集めて、整理、理解しなければ、適切に情報発信できない」という2点によって、
情報収集がうまくなる、と言っているのだと感じました。

そういった意味で「情報を発信することが、最大の情報収集である」というのは非常に目からウロコで、情報収集の本質が詰まっているように感じたフレーズです。

情報発信したくなるほどのレベルの情報を集めよう。
それはあなたにとっても、みんなにとっても有意義であり、大切である。
だからこそ、情報収集がうまくなる。

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生産性と創造性UP!人生をシステム化するGTD®のススメ!実践編https://engineers-akademeia.com/gtd_for_everyone/193/https://engineers-akademeia.com/gtd_for_everyone/193/#respondMon, 12 Jun 2023 20:04:21 +0000https://engineers-akademeia.com/?p=193

こんにちは!yoshiです 重要な工程とは? GTD®における最初の重要な工程とは、「頭の中で気になっていることをすべて書き出す」ことです。 下記の前編で、「頭の中から短期記憶を追い出し、頭の中をからっぽにして生産性・創 ...

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こんにちは!yoshiです

GTD®の主要5ステップはなんとなく理解しました。
早速始めたくてうずうずしています。何から始めればよいですか?

GTD®には最初にくぐり抜けるべき重要な工程があるんだ。
まずはそこから始めよう!

重要な工程とは?

GTD®における最初の重要な工程とは、「頭の中で気になっていることをすべて書き出す」ことです。

下記の前編で、「頭の中から短期記憶を追い出し、頭の中をからっぽにして生産性・創造性を上げる」というお話をさせて頂きました。

生産性と創造性UP!人生をシステム化するGTD®のススメ!知識編

この目的を達成するために文字通り、全ての気になることや、やりたいこと、考えなどを頭からすべて引っ張り出す必要があります。

例えば、

  • いつかやろうと思っている最近のモダンな言語の習得
  • 今度行きたいと思っている旅行の計画
  • ほしいと思っている本

…などなど、気になっている分野などの中長期的なものから、近々の明日やらなければならないことなどのありとあらゆる、この後の人生でやっておきたいこと、気になっていることを全て洗い出します。

この作業はDBやメモリのDumpファイルを取るということに近く、ブレインダンプと呼ばれたりします。

全て書き出すことによって、ようやく脳はその持って置かなければならない情報を捨てることが出来るようになります。ある意味脳のデトックスです。

ブレインダンプの有名なエピソードがあります。


アメリカで鉄鋼王として有名なアンドリュー・カーネギーは、押し寄せる悩みに押しつぶされそうでした。

ついにある日、自殺を決意します。

そして、拳銃を探そうと引き出しを漁ったところ、引き出しの中の白紙の便箋が目に止まります。
ここで彼は、「自分を自殺まで追い込んでいる悩みはいくつ有るんだろう…」と疑問を持ちます。

どうせ死ぬんならと、その便箋に全ての悩みを吐き出しました。
するとどうでしょうか、「500個だろうか、1000個だろうか」と考えた悩みは実は100個もなかったのです。

彼はその書き出した悩みを分類分けしていきます。

そうして、自分の力でどうにもならない悩みはゴミ箱に捨て、

それ以外を引き出しにしまい、自殺を思いとどまったのです。


そのぐらい、頭の中のものを吐き出すというのは効果のあることなのです。
現在でも精神科の治療としても使われることがあります。

ブレインダンプのポイントは、
頭から情報を引っ張り出すときにやる・やらない・要・不要の判断をしないことです。
これが良くない理由は2つあります。

  • 時間がかかりすぎてしまう
  • 脳が無意識でフィルタリングしてしまい全て出すことができなくなる

時間がかかりすぎてしまうのは、都度判断が入ってしまうからです。
一度に実施する工程はシンプルであればあるほど、効率は上がっていきます。

脳がフィルタリングしてしまうのは、思考が「全てを引っ張りだす」から「必要そうな事を考える」に変わってしまうからです。こうなると、自分の意識上に上がってくるのはある程度フィルタリングされたものとなってしまい、目的である頭を空っぽにする、が実践できなくなってしまいます。

そして、前回の2番目出てきた工程「見極める」を行います。
対象は、引っ張り出してきた一つ一つの事柄についてです。

そうです。この作業、結構時間がかかります。
集中して時間を取ることができれば1日で終わるという方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、通常は3−4日。
ちょっとずつやっていくとすると、1週間〜2週間程度かかることもあります。

しかし、ブレインダンプを行う事によって、人生においてあなたが記憶しておかなければならないものは、全て外部にある状態となります。あとはこのメモ達を、適切タイミングで引っ張り出せればよいわけです

この引っ張り出すためのノウハウがまさにこのGTD®となります。

では早速、GTD®という名のシステムを、人生という名の日常にインストールしましょう!

GTD®はどうやって始める?

GTD®を始めるためには以下の2つを準備する必要があります。

  • ブレインダンプとその見極めの実施
  • GTD®を実現するツールの構築

ブレインダンプとその見極めの実施

記事の冒頭でお伝えしたブレインダンプを実際に実施してみましょう。

書き出す媒体は紙でも電子メモでもどちらもで大丈夫です。好きな方を使っていただくのがよいと思います。

私は紙で実施しましたが、おすすめは断然電子メモになります。
あとで、見極める時に電子データの方が扱いやすいからです。

ポイント

紙でも電子データでもO.K. しかし、電子データの方が整理・扱いやすくなるのでオススメ

電子データにした場合、少し工夫しないと一覧性が下がってしまいます。
このあとのご紹介する方法では、そのあたりは改善しているので、ぜひとも読んでみてください。

電子メモでブレインダンプのやり方

電子メモでブレインダンプを行う場合、ツールが必要なります。

いわゆるノート・メモアプリのジャンルのツールが必要になります。
このジャンルのツールはものすごく奥が深く、素敵なツールもいっぱいあるのですが、書き出すとすごいボリュームになってしまいます。
そこで今回は、私の愛用している「Obsidian」というツールを前提にやり方をご紹介します。

  1. Obsidian」をお使いのPCにインストールします。
  2. イントールし設定を完了させます。
  3. 新規ノートを開きます。
  4. ノートに気になっていること・いつかやろうとおもっているものなどを、頭が空になるまで、箇条書きでとにかく書き出す
  5. 大量に出てきた箇条書きについて、一つ一つ「見極め」を行います。
  6. 「見極め」た箇条書きの情報を各カテゴリ(Calendar/Waiting/いつかやる…)に分類します。

ポイントは2つです。

1つ目は、4でその時点で思いつく限りを書き出す事が重要です。
もちろん、抜け漏れがあっても大丈夫です。あとで追加すればいいだけなので。
とにかく、「空になった」「もうないぞ」と実感することが大事で、完璧を目指す必要はありません。
そして、これ、めちゃくちゃ疲れます。

ですので、休日に集中して行うなど、やるタイミングは見極めた方が得策です。

2つ目は、6で如何にアクセスしやすくノートを構築するかが重要になります。
これについては正解がなく、使いやすさをブラッシュアップしていくのがオススメです。


参考までに以下で私が実施しているやり方を紹介します。
ここについては様々な人が色々なやり方を模索しているようなので、調べてみると面白いかもしれません。

Obsidianにある機能であるハッシュタグを利用しています。


Twitterにあるハッシュタグと同様の機能です。

フォルダ構造を決めて厳格に管理するような従来のフォルダ設計では、ノートアプリでは柔軟性に欠けます。
ノートアプリでは、メモとして階層を意識せずに使いつつも、あるまとまりで情報の塊を引っ張り出せる方がより、柔軟に変更や取り出し、付け替えが可能なため、重宝します。

やり方は簡単で、カレンダー、待ちリスト、参考資料、いつかやるものといった「見極める」のフェーズで登場する各フォルダイメージのハッシュタグを決めておき、見極めたタイミングでそれらのハッシュタグをつけていく、という方法です。


例えば待ちリストのノートには必ず#Waitingとタグをつけておけば、そのタグで検索することで、待ちリストが即座に引っ張り出せるというわけです。

ハッシュタグが、Twitterのように多人数が雑多に書き込むものに分類をつけるという発想のもとデザインされた機能なので、メモのように雑多につくるものを管理するのに非常に便利です。

このようにして、頭にあるいつかやろう、引っかかっていることなどをとにかく引っ張りだし、その「見極め」を行います。

この「見極め」までが完了すると、自分の人生が完全に自分のコントロールのもとにあるような、少なくとも何をすべきか、何をしたいかははっきり言える、という非常にスッキリとした気持ちになることが出来ます。

GTD®の続けるコツは?

ブレインダンプが出来てしまえば、あとは日常で思いつくあらゆる物を、溜め込み→見極め→実践→棚卸し→溜め込み…のループを繰り返して、改善していきます。

まさにPDCAのサイクルとほぼ同じですね。

さて肝心な続けるコツは、「あなたがこのメソッドで、利益(インセンティブ)を感じること」です。

え、そんな事?当たり前じゃないですか。

そうです。
とても当たり前のことですが、往々にして見失いがちです。

結局、GTD®もメソッド(手段)でしかありません。目的ではないのです。
もし、手段が目的化してしまうとどうなるでしょうか。

手段が目的化…
つまり、何かをすることで、得られる結果が大事なのに、
いつの間にかそれをすること自体に価値があると感じてしまうこと
、ですよね。

その通りです。
そうやって得られる結果よりも、手段にこだわってしまい、応用が効かなくなり、本質を見失います。
俗に言う、お役所仕事というものです。

しかし、これは良い・悪いということではなく、人間という生き物の仕様です。
日々たくさんの課題と向き合う人類はなるべく簡略化することを是としてきました。
そのため、今目の前にない報酬(得られる結果)よりも、目の前にある報酬(する事自体)に価値があるとした方が脳とってはイメージしやすく理解にエネルギーを使わないのです。

ですので、皆さんにはその脳の仕様を理解した上で、GTD®という「手段」を使って、頭の中をスッキリさせ、「脳には思考すること」を、「紙やPCには記憶すること」を、つまり適材適所を実践することを目的として実践していく事が大事です。

それによって、次の新しい技法、より良いやり方を見つけたときに柔軟に乗り換えて行くことができます。
車があるのに、いつまでも馬車に乗って時間を失う必要はないのです。

馬車のように物質的に見ることができれば話は簡単です。
しかし、これは目に見えない思考というものです。
なので、よくよく話を聞いてみると、未だに思考は「馬車に乗っている」という人は、いくらでも存在するということを私達は知っておく必要があるのです。

まとめ

2回に渡って紹介してきました、GTD®でしたが、いかがでしたでしょうか。

GTD®は自分の頭の中を整理するための非常に優れたシステムです。
自分というリソースを効率良く使うために考え出された、先人の知恵であるとも言えます。
車輪の再発明をして、時間を無駄にしないためにも、まずは巨人の肩に乗って、遠くを見渡すのがよいのではないでしょうか。

また、ここで紹介した情報、GTD®の入門としては十分ですが、マスターになるためには、更に知識・情報が必要になると思います。このブログでも、良いものがあれば紹介していきます。

もし、GTD®に興味を持って、そしてあまつさえ実践しようと考えて頂ける人が一人でも増えたら嬉しいです。
わからないことはコメント欄に記載ください。誠心誠意回答します。
ではまた!

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こんにちは!yoshiです ToDo管理に足りないものとは? ToDo管理では、以下のような問題がよく発生します。 そんなToDo管理とは一線を画しつつ、生産性も高めてくれる夢のようなメソッド、それがGetting Th ...

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こんにちは!yoshiです

やることが次から次へと増えて大変です。
ToDo管理しているんですが…

一般的のToDo管理には重大な欠点があるんだ

今日紹介するGTDは、ある要素をTodo管理に追加することで効率が爆上げになる手法だよ

ToDo管理に足りないものとは?

ToDo管理では、以下のような問題がよく発生します。

  • タスクがたまりすぎると何から手を付けたらいいかわからなくなる
  • やるべきタスクが下に埋もれてしまって、やるタイミングを逃してしまう
  • ある条件を満たさないと実施できないタスクをやり忘れる

そんなToDo管理とは一線を画しつつ、生産性も高めてくれる夢のようなメソッド、それがGetting Thing Done®です。

Getting Thing Done®(以下、GTD®)とは、日々の発生するタスクを一元管理し、効率よくさばいて行くための手法です。

本日このブログを10分読んでGTD®を実践すれば

  • やるべきタイミング やるべきタスクが スグに把握できる
  • やるべきことを覚えておく必要がなくなる
  • 覚えておくことから開放された脳をフルに創造性のために使うことが出来るようになる

では早速、奥深いGTD®の世界へダイブして行きましょう!

GTD®(Getting Things Done®)とは?

Getting Things Done®とは、 David Allenというアメリカのコンサルタントが2001年に生産性を高める手法として提唱した手法です。

20年以上も前に開発されたんだ…

そうなんだ。

この手法をその15年後の2015年に改定してるけど、本質は変わっていないんだ

それだけ、優れた手法だと言えるね。

そして、Todoとの大きな違いはタスクのやらなければならないことを事前かつ具体的に整理しておくこと」です。

え…それだけ?

いえいえ、これがこのシステムを20年以上も世界で愛されている手法のコアな部分です。
タスクを整理する段階で、そのタスク達成に必要なステップを事前にしかも具体的にリストアップしておくことが、このメソッドの画期的な部分です。

例えば、貴方が顧客と会話した結果、仕様が変わり、Aさんにそのことを伝えなければならないとしましょう。

普通のTODO管理では、おそらくリストにはこう言った内容で追加されるでしょう。

・「Aさんに仕様が●→▲に変わったことを伝える」

これは間違っていませんが、大事な情報が抜けています。

このTodoのタスクを実行しようとすると、いつやるか、どうやってやるか、を考えながら実行しなければならないのです。

これによって、忙しいときは後回しになったり、メモ自体を見逃してやるべきタイミングを逃してしまいます。

確かに…そうですね。
要件だけ書いておくから、いつ、どうやってはあまり意識していなかったかもしれません

これをGTDで同じことをしようとすると次のようになります。

まず、メモを作ります。ここは普通のTodoのときと同じです。

・「Aさんに仕様が●→▲に変わったことを伝える」

次に、この作業を見極めます。この例のタスクでは2点、「いつ」と「どうやって」が決まっていませんでした。それをTodoリストに移す前に、考えておくのです。

例えば、その要件はあまり緊急度が高くなく、Aさんとその日の打ち合わせで話す機会があるとしましょう。

そうしたら、あなたはそのメモを「本日の打ち合わせでAさんと話すときに仕様が●→▲に変わったことを伝える」と変更します。

そうして、このメモを「誰かとあったときにすべきこと」というフォルダに整理します。

あとは、忘れます。

そして、実際に打ち合わせが始まる前に、「誰かとあったとき」というフォルダを確認することによって、Aさんに伝えなければならないことを思い出し、それを実行します。

なるほど!
事前にすべきこととその条件をさきに整理しておいて、
実行するときはその条件を満たしているかどうかだけ見るんですね。

その通り!
この事前にどうやったらやるかを考えておくことが一番大事なんだ

プログラムのトリガー処理(何かが起きたら何かをする)をリアルで実行するイメージ

タスクをトリガー化するとてつもない効果

タスクをある条件が満たされたら実行する(できる)という仕組みが構築出来ると、生活が非常に楽になるのと同時に創造性が高まります。

人は脳の短期記憶は3〜7個が限度と言われています。何かを正確に記憶をすることにおいてPCなどの電子機器に勝つことはできません。

それにも関わらず、貴重な短期記憶用の数個のメモリをやるべきTodoでいっぱいにしてしまったら何が起きるでしょうか?

よくPCのメモリサイズを、作業机の広さにたとえられることがあります。人間の脳の短期記憶も同じです。

机の上がTodoがいっぱいになってしまうと、本当に考えたいことについて考えるスペースが狭まります。

これによって、
脳内メモリがオーバーフローを起こしTodoを忘れるか、
本当に考えたいことを低出力で考えるか、
の2択になってしまいます。

このGTD®の面白いところは、Todoを短期記憶から追い出して、今ココに全集中出来るようにするシステムであることです。これによって生産性、創造性が増すのは想像に難くないでしょう。

まとめ

Todoを短期記憶から追い出して、今ココに全集中出来るようにする。これによって生産性、創造性が増します。

この記事の読み方

まとめていくうちにどんどん長くなってしまいました。
ですので、ここで読み方を少しお話させてください。

本記事では、各GTD®の流れと、その詳細を解説してきます。
その一つ一つを全部頭に入れてから、さあ実践しようという進め方をすると、おそらく挫折します。
ですので、ざっくり下記の主要5ステップが何となく何するか理解できたら、後編の実践を読んで頂くことをおすすめします。

その後編の中で、わかりにくいところや、理解できないところを本記事の詳細で補って頂けるとよいと思っています。

後編では、それらの用語から本記事にジャンプできるように設計しておりますので、後編も合わせてご覧頂けると嬉しいです。

GTD®のやり方

GTD®の実際のやり方を見ていきましょう。

GTD®の主要5ステップ
  1. 収集する :頭に浮かぶすべての事柄を書き出す
  2. 見極める :集めた事柄が、どのような種類のものか判断する(自分がやること、やりたいこと..)
  3. 整理する :見極めた事柄を適切な場所に移す
  4. 見直す  :定期的に集めた事柄の棚卸しを行って、新鮮な状態を保つ
  5. 実行する :整理された事柄を適切なタイミングで実行する

これらの5つのステップを進めていくことで、
人生におけるすべての情報を効率よく、蓄積、整理していきます。

収集する

「収集する」では、頭に浮かぶすべての事柄を文字通りすべて集めて行きます。

晩御飯のことが気になったり、
打ち合わせ中に急に買わなければないものを思い出したり、
誰かにメールをしなければナラないことを思い出したり、
とにかく思いついたことはとにかく書き出して、ノート・電子機器などに覚えておいてもらいます。

これは、覚えて置かなければならない記憶で埋め尽くされた短期記憶を開放し、頭の作業領域をたくさん取るためです

そのため、この工程は以下を徹底する必要があります。

  • いつでも、どこでも、思いついたときにすぐにメモできること
  • 後で書こうとしないこと

電子・紙の媒体は問わないよ。

とにかく、いつでも、どこでも、思いついたときにサッとメモできる自分にあったものを選ぶといいよ

ちなみに、後で書いては行けない理由は、短期記憶を開放することもその一つですが、大事なことはその場でメモしないとスグに忘れてしまうからです。

見極める

最初の工程で「収集したデータ」を以下のフローに沿って見極めます。とてもシンプルです。

この工程でそのメモがどこに格納されるべきか決まっていきます。
各分岐について詳しく見ていきましょう。

行動できるタスクか?

そのメモを眺めてみて、自分が今後 具体的に何か行動しなければならないものなのか、後で参考にしたり、今ではなくいつかやろうとしていることなのか、を判断します。

例えば、「仕様をAさんに伝える」では自分がAさんに伝えるという行動を伴うため、行動可能なメモと判断出来ます。

一方、何か調べものをしていてその中で重要な情報をメモしたとします。
このメモを見極めるとき、そのメモの位置づけは、人それぞれ異なります。

「その情報を後でノートにまとめて整理しておきたい」、となるとこれは行動可能なメモと捉えます。

一方、「この後はただ見返すだけ、関連する資料に書いてあればいい」ということであれば参考資料のフォルダに入れ込みます。

もしくは、本当にただのメモで、後で見返すこともないと判断すればそのメモを捨てます。

このようにまずはそのメモをトリガーに何か行動する必要があるかどうかを判断するのがこの分岐です。

その行動は、1つのタスクをこなせば完了するか?

この分岐では、行動が必要だと判断したメモについて、それが1つタスクを完了させることで完了するものなのかを判断します。

何度も登場する「仕様をAさんに伝える」の例では、話して伝えて終わりになる前提であれば、Yesとなります。

しかし、「その仕様が設計書に取り込まれたかどうかまでフォローアップしたい」と考えているのであれば、この分岐はNoとなります。その場合、プロジェクトフォルダへそのメモを格納します。

その行動は2分以内に終わるか?

GTD®の醍醐味です。その行動可能なタスクが2分以内に終わるかどうか判断します。

この判断をすることによって、すぐに実行でき結果が得られることが溜まっていくことを防ぎます。

軽量なタスクはスグにこなす。
このクセがつくと、後回しがなくなりだんだん気持ちもポジティブになっていきます。

不思議ですが、軽量なタスクでも数をこなしていくとテンションやモチベーションは上がっていきます。
その達成感は、自己肯定感に繋がり、生活が良い方向に転がって行きます。

そのタスクは私のタスクか?

これも重要な判断になります。

このタスクは誰が行動すべきなのかを考えます。
誰かが行動した結果をもらってから何かしなければならないタスクに関してはここでNoとなり、待ちリストへ入れ込みます。

何度も登場する例の「仕様をAさんに伝える」を、「その仕様が設計書に取り込まれたかどうかまでフォローアップしたい」と考えているケースとします。
このケースの場合、「Aさんに仕様を伝える」と「取り込まれたかどうかまでフォローする」の2つに分けられます。そして、「取り込まれたかどうかまでフォローする」のタスクはここでによって待ちリストに追加されます。

「誰に」「何を」お願いしていたか把握しておくのです。

よくあるのが、誰かに何かをお願いして忘れてしまうというケースですね。
お互いが忘れてそのままになって問題にならなければいいのですが、そうでないものに関しては、このようにしてまとめて管理しておくことで、ヌケモレが防げます。

誰に何をお願いしているか確認したいときは、この待ちリスト見るだけで済むのです。

このように、一つ一つを細かく覚えて置くのではなく、「何を見れば今の自分の状態が把握できるか」、その情報がある場所を覚えておく、というのがGTD®の肝の考え方です。

特定の日時ですべきことか?

時間が決まっているものや、あらかじめ指定の日付があるタスクかどうか、つまり時間軸がすでに決まっているタスクかどうか判断します。

例えば、レストランに友達と行く約束を3日後の18時に予定しているのであれば、その時間をカレンダーに入れておく、ということです。

これは…あたりまえでは?

もちろん、当たり前です。
しかし、どうでしょうか、今まさにこの瞬間、あなたのカレンダーにはあなたが行動すべき、すべての予定が入っていますか?

Yesと答えたあなた、さすがです。
Noと答えたあなた、それが普通です。
その普通から脱却するためにカレンダーに、タスクを入れておきます。
これによって時間が決まっている物を適切なタイミングで処理することができます。

なにより、知るべきことが外部にあり、それが適切なタイミングで知ることができる、と確信出来ている状態は、とてつもない精神的な開放感があります。これは一度体験してみることをおすすめします。

また、この時間軸が決まっているタスクは一番強制力が強いです。
そのため、自分自身のどうしてもやりたいけど、なかなか手がつかないものをカレンダーに入れて、強制力をもたせるという使い方も出来ます。

次に、指定の日時が決まっていないタスクを整理します。
このタスクをどう整理するかが、このGTD®の一番面白いところです

GTD®の提唱者のDavid Allenは、日時や時間が決まっていないタスクを、必要となる状況別に整理するのが良いとしています。

冒頭の例では、「Aさんに仕様が●→▲に変わったことを伝える」のTodoを「誰かとあったとき」というフォルダに整理しました。

このようにそのタスクが必要になるであろうタイミングや、そのタイミングでしか出来ないタスクなど、
そのタスクを実行するためのタイミングや前提条件で整理しておくことが画期的な部分です。

このように整理しておくことで、生活は劇的に楽になります。

例えば買い物について想像してみましょう。
あらかじめ買い物リストを作っておけば、いちいちその場で思い出す必要もなく、そのリストにあるものを淡々と買えばいいのです。あとで買い忘れた!となる心配がありません。

あるいは、最近ではなかなか使用しないPCをつけたときにやるべきタスクがまとまっていると、どうでしょうか。PCをせっかくつけたのだったらついでにこれもやろう、となり機会損失がどんどん少なくなります。

この必要になる状況や前提というのは人それぞれとても個性がでます。

朝活をやっている人は、「朝活中」、電車で通勤しているのであれば「通勤中」、ランチに時間が取れるのであれば「ランチ中」などなど、自身の生活スタイルに合わせて、時間や状況を可視化する(わたしは時間のコンテナ化と呼んでいます)ことで、忘れ、漏れを防ぎます。

コンテナにやるべきことを放り込んでおいて、指定の場所に来たら開けて中身を確認する(その状況でやるべきことを行う)ということを意識してすると、余計なことを覚えておく必要がなくなり、大きな開放感が得られ、創造性が高まります。

整理する

ここまでくれば、あとは分類したものを分類するだけです。

フローの中で出できた分類先について詳しく解説していきます。

ゴミ箱

その名の通りで、ここに分類するということは、つまりそのメモを捨てるということです。

いつかやる

これは、今ではないが「いつかやりたいもの」としてストックしておく場所です

いつかやりたいことを覚えておくことも大変なことです。
一旦頭から取り出し、時間をおくことで、本当にやりたかったのかを見極める事が出来るようになります。

次の「見直す」フェーズで定期的に見直すのが良い箇所でもあります。

参考資料

後で見たくなるような参考になる資料を格納しておく場所です。

具体的には商品の説明書、郵送されてくる公的な資料など、頻繁に見る機会はないが、見たくなるタイミングがある資料をまとめておく場所です。

プロジェクト

プロジェクトとは複数のタスクで構成された作業グループになります。

例えば、「ある機能の設計書を作成する」というタスクがあったとします。
このとき、「設計書を作成する」と一言で言えたとしても、何をやるかは多岐に渡ります。

設計するために技術資料を確認しなければならかったり、デザイン、アーキテクチャを考える必要があったりするでしょう。

このように、あるタスクを完了するまでに複数のステップを実行しなければならないものを、GTD®の世界では「プロジェクト」と呼んでいます。

複数タスクがあると判断したタスクは、一旦このプロジェクトに格納して、タスク分解のブレストを行う必要があります。

このプロジェクトのタスク分解については、後述します。

待ちリスト

待ちリストは、誰かに作業依頼していたり、何かを待たなければならないタスクの中でも、期限がないものを格納しておく場所です。
(期限・日時が決まっているものは、後述の「カレンダー」に格納して厳格に管理します)

待ちリストは定期的に確認することで、誰かをフォローしたり、忘れたりしないようにすることが出来ます。

人生のあらゆることはたいてい期限がありますが、そこまで厳格に管理しなくてもよいもの、日時を決めてしまうと不都合が生じてしまうタスクなど入れておく受け皿をして存在しています。

例えば、折返しの電話や連絡を待つ場合、相手からいつ来るかはわかりませんが、忘れてしまうと必要になったときに困る場合などに利用します。

状況別Todo

状況別Todoは、状況に応じてTodoを整理しておく場所です。

状況とは、そのTodoが実行できる前提条件のことです。

例えば、「銀行口座に、現金を入金する」というタスクがあるとします。
この時、前提条件は「銀行もしくはATMにいること」が条件になります。

これをそのまま状況として、分類してしまうことも出来ますが、もう少し意味を幅広くした方がよいでしょう。
例えば、コンビニのATMからでも入金出来る銀行であれば、状況を「コンビニに行った時」とするのがより汎用的になると思われます。

ここで大事なのは「自分のライフサイクルに合わせる」ということです。
全くコンビニに行かない人が「コンビニに行った時」という項目を作っても、消化できないTodoとなってしまいます。

普段からコンビニではなくスーパーにはよく行く、という人であれば「スーパーに行こうと思った時」という項目を作り、その道中でコンビニになり、銀行なりに寄れるようにしておく方が、実行しやすくなるでしょう。

つまり、この項目は一番人によって個性が出る項目です。
他の人の項目を参考にすることは出来ますが、必ず自分でカスタマイズすることが大事な項目となります。

なぜなら、自分と全く同じ生活習慣、考えを持っている人はいないためです。

作り方としては、最初から最高の項目を挙げることは出来ないと考え、定期的に効果を見直しながら、徐々に洗練させていこうぐらいで、進めるのがベターです。

何でもそうですが、最初から完璧を目指すと動きが遅くなってしまいます。
まずは60点ぐらい(まぁこんなもんかレベル)を目指しましょう。

カレンダー

カレンダーは予定表、つまり確定した予定としてタスクを扱うための概念です。

単純にGoogleカレンダーなどの予定表のイメージです。
未来の時間を押さえることで、そのタスクを確実にそこで実施することを目的とします。

そのため、各タスクの中でも一番明確で拘束力が高い、つまり優先度が高いタスクとして扱う必要があります。

そのよう扱わなければ、期限があるような優先度のタスクを安心して忘れる事が出来ないからです。
忘れるために、そのルールを厳守するのです。

例えば、「銀行が閉まる15時より前に入金しなければ残高不足で、翌日の支払いが滞納になってしまう」というケースがあったとします。

その時、カレンダーに「14時30分に銀行に行き、入金をする」というタスクを入れたとしましょう。
そしていざその時間になったとき、そのリマインドには気づいたものの、今ちょっと手が話せないから、大事な人と会話しているから…などと後回しにしてしまったらどうなるでしょうか。

そう、人は忙しいとき、後回しにした時にミスを犯すのです。そして後で気が付きます。
「あ、あれやってない」

そうです、そうなってしまうと、「予定に入れても実践されない」という図式が出来上がってしまい、カレンダーには入れたものの、今日は〇〇があるから、とうっすら覚えて置かなければならなくなります。

これではもともと目指していた、頭の中を空っぽにして今、目の前のことに全神経を集中去せて生産性を向上させる、という目的が達成できません。

だからこそ、ここに格納されたタスクはその時間になったら、何があっても確実に行うのです。
それを自分自身に確約し、何度か実践して見せることで、ようやく脳(本能)が安心し忘れることが出来るようになります。

整理する

この工程は非常にシンプルです。

一番重要な仕事は「見極める」で完了しています。
「見極めた」タスクを適切な場所に振り分けていきます。

物理メモの場合は、それらを管理するフォルダに移動するのがよいでしょう。
電子メモの場合は、ラベルやタグをつける運用が考えられます。

見直す

「見極める」と重要度の双璧をなす、「見直す」工程です。

この工程では、定期的にタスクを棚卸しして、実行できていないタスクや、終わったのに残っていないタスクなどを整理し、自分のタスクを最新の状態に更新することを目的としています。

大切な部分は「定期的に」の部分です。
GTD®を実施しているとどうしても管理するメモの量は格段に増えるので、完了したのに残ってしまうメモや、埋もれてしまうメモが出てきてしまいます。
それらを整理して、タスクを鮮度の高い状態に保ち続ける事が継続の秘訣となります。

掃除をしばらくしていない部屋を掃除するのは大変で、定期的にちょっとづつやるほうが楽です。
掃除であれば1日もあればやりきれるかもしれません。
しかし、溜まったメモは非常に厄介で、溜まり具合にもよりますが、数ヶ月単位のものとなると1週間近くかかることもあるでしょう。

実際、私は2ヶ月サボっていて

5日間ほど整理し続けたことがあります。

ためると大変です

溜まりきらないうちに定期的に棚卸しするのがベストです。ではその間隔はどのぐらいがいいでしょうか?

これについて、提唱者のDavid Allenは、週に一度の週次を進めています。

この間隔でなければならないものではありませんが、
毎週の休日前の金曜日に見直しを実行してタスクをきれいに整理しておくと、頭の中が整理され、開放感が得られます。そのスッキリとした気持ちで週末に心と身体を休めることが出来るので、まずは週に一度を試してみることをおすすめします。

実行する

このフェーズは事前に考えておいたタスクをひたすら実行します。

ここでのポイントは”事前に”の部分です。

実行するタイミングでもちろん見えてくるタスクもあるでしょうが、なるべく事前に具体的に洗い出しておく事が重要です。なぜならこのGTD®ではタスクを実行できる状況を正確に把握することが大事だからです。

例えば「買い物のついでに銀行に言ってお金を入金する」のタスクを考えましょう。
仮に、銀行のキャッシュカードが引き出しの中に入っていて、それを出してからでないと入金できないとすると、引き出しからカード出してから、出かけなければ行けません。

せっかく、「出かける時」という状況で「銀行に入金する」というタスクを思い出し、実行しようとしても事前の想定が甘いと、せっかく銀行についたのにキャッシュカードがなくて入金できないという状況になってしまいます。これではもったいないです。

実行した際に、見極めた時人は別のタスクが発生した場合、例えば想定外タスク一覧などとして、集積していき次回に活かしていくようにするのが良いでしょう。

前編まとめ

とても長くなってしまいましたので、前編を知識編として、区切ります。
ここまで読んでいただいた方も、飛ばしながら読んで頂いた方も、ありがとうございます。
冒頭にも記載しましたが、情報量が多いので、必要に応じて該当箇所を再読頂くような使い方がおすすめです。

GTD®はタスクや情報を漏れなく機械的に行うことで日々の煩わしさから開放されるためのメソッドです。

最初に覚える事がたくさんあると感じてしまうかもしれませんが、非常によく考えられた作りになっており、無駄がありません。
1つでもやってみて頂けると、その自然さ、効率の良さにやみつきになると思います。

ぜひそのメソッドの美しさも感じながら、次回の後編を読んで実践してみてください。

感想や不明点、よくわからない点などお気軽にtwitterなどでフィードバック頂けると嬉しいです。また、次回の記事でお会いしましょう。

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マインドフルネスとは?マインドフルネスを使って集中力を向上させる!https://engineers-akademeia.com/mindfulness/131/https://engineers-akademeia.com/mindfulness/131/#respondThu, 20 Apr 2023 06:52:15 +0000https://engineers-akademeia.com/?p=131

こんにちは、yoshiです! 今が私達が生きている社会はありとあらゆるものが、あなたの注意を引きます。 スマートフォンは四六時中通知を伝えるために明滅し、スマートウォッチは通知の度に振動し、ディスプレイに目を向けても、タ ...

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こんにちは、yoshiです!

迷えるSE
迷えるSE

在宅勤務で快適だけど、気が散って ちっとも作業が進まない。。
周囲の目が無いから、スマホがチカチカするとスグに見ちゃう。。

yoshi
yoshi

もったいない。
在宅勤務のメリットは、自分のペースで仕事ができることだよ。
集中してやるべき仕事を終わらせれば、もっと有意義に時間が使えるよ

今が私達が生きている社会はありとあらゆるものが、あなたの注意を引きます。

スマートフォンは四六時中通知を伝えるために明滅し、
スマートウォッチは通知の度に振動し、
ディスプレイに目を向けても、タスクバーのアプリケーションも自己主張してきます。

これらが、こぞって集中したりやりたいことを中断させ、注意を引き、集中を途切れさせるのです。

マインドフルネスは、注意力を散漫とさせる現代において「今ここ」に集中させるために開発された集中力向上トレーニングです。

いわば精神の筋トレといっても過言ではありません。

そして、筋トレと同じように1度や2度行っただけで、「効果を実感できる!」と言う
甘っちょろいものではなく、継続して続けることでメリットを教授出来るスキルになります。

今回参考にさせて頂いた文献では、違いがわかるようになるまで約3ヶ月〜半年。
マスターしたと言えるレベルになるには600時間、つまり2〜3年に必要になるという、
かなりストイックなメソッドになります。

迷えるSE
迷えるSE

え?効果実感まで3ヶ月?半年?
すみません、今回はパスで。

yoshi
yoshi

シリコンバレーの起業家たちは2010年くらいから、こぞってやっているね。
世界でしのぎを削っている彼らが取り組んでいるということは、それ相応の効果があると思うな。

手に入れにくい反面、その効果は絶大で「今ここ」に集中できるということは、
かなり高可用で汎用的なスキルを手に入れることが出来ます。

マインドフルネス習得で得られる効果
  1. 生産性・集中力UP
  2. どこでも自分の家のようにくつろげるようになる
  3. すべての基本的な能力の向上

生産性・集中力UP

「今ここ」に集中するということは、それ以外のことを考えないということです。

それはつまり、生産性に直結します。

だらだらと動画や音楽を聴きながら作業をすると、単純な作業でもない限り捗ることはありません。
思考があっちこっちに行かないことにより、それについて深く考えることができるようになります。

どこでも自分の家のようにくつろげるようになる

「今ここ」に集中するということは、休むことにも集中することができます。

カフェで周りの音や人が気になったりしますよね?

これもマインドフルネスによって注意力を鍛え上げることで、どこでも気にせずゆったり過ごすことができるようになります。

すべての基本的な能力の向上

言い過ぎですか?

いえいえ、そんなことはありません。

マインドフルネスは、すべての動作に当てはめることが出来ます。

マインドフルネスで聞く・話すことでコミュニケーション力を高めたり、マインドフルネスでリラックスしたり、マインドフルネスでゲームを楽しむ、勉強の効率を挙げるなどなど。

いつでも集中できるということは、人生の全てに還元できるスキルになります。

マインドフルネスとは

マインドフルネスとは、現在起こっている経験に注意を向けることを指します 1 。

もともとは仏教の瞑想として発達しました。

1979年にアメリカでその効果が医療行為として注目され、宗教的な要素を取り除き、集中力を高めるトレーニングとしてメソッド化させたものをマインドフルネスと呼んでいます。

マインドフルネス瞑想のやり方・考え方

マインドフルネスの本質は、「注意がそれたら、それに気づき、もともと注意を払っていたものに意識をもどす力を鍛えること」といえます。

マインドフルネスのトレーニングとしては、瞑想が一般的です。

瞑想は、「呼吸」へ意識するところから始まります。

  1. 吸って、吐いて…と呼吸へ意識を向けます。
  2. だんだん脳が暇になり、呼吸から意識が逸れます。
    (やってみるとわかりますが必ず逸れます)
  3. 呼吸から意識が逸れたことに気が付きます。
  4. それた意識を呼吸に戻します

ポイントは、3の呼吸から意識が逸れたと気づいたときに、評価をしないことです。
「意識が逸れたな、よくないなぁ、次は気をつけよう」と逸れたこと自体評価する必要はないということです。
意識がそれてしまうのは自然な人間の思考なので、それをいちいち否定してしまっては、どうしようもない事で自己肯定感をさげることになってしまいます。
逸れること自体は自然なものと受け入れ、逸れることを前提に素早く4の意識を呼吸に戻すことが大事になります。

迷えるSE
迷えるSE

意識が逸れても気にしないことが大事なんですね。

yoshi
yoshi

その通り。
逸れるのは生物の機能として自然なことなんだ。
だから、逸れたら戻す力を鍛えることが大事なんだよ。

この逸れた意識を戻す力を鍛えることで集中力が増します。

集中力が極限になっている状態とは気が逸れてもすぐに集中したいところへ戻っているだけです。
その時間が極限に短く気が付かないだけで、人間の思考それ自体は、気づかないうちにあらゆる方面に気が散ってきます。

マインドフルネスの続け方

繰り返しになりますが、マインドフルネスは「注意がそれたら、それに気づき、もともと注意を払っていたものに意識をもどす力を鍛えること」です。

瞑想は一つのやり方でしかなく、瞑想以外の方法でも、生活の様々な場面で鍛えることができます。
そのため、瞑想がどうしても合わない、そんな時間が取れないという方には別の方法があります。

参考文献にも様々なトレーニングが載っていますが、代表的なものを紹介します。

マインドフルネス・ウォーキング

その名の通り、ウォーキングです。
しかし、ものすごく身体の動きに意識を向けながら行うウォーキングのため、やってみるとわかりますが外でやるのは恥ずかしいレベルでゆっくり歩くことになります。

  1. 数メートル歩けるぐらいのスペースを確保
  2. ゆっくりと息を吸って息を吐きます。これに合わせて1歩を踏み出します。
  3. 呼吸とともに歩くという行為に伴って動く全身をじっくり観察します
  4. 2に戻ります

この3で、足が上がるときの体重バランスの変化や、足が徐々に地面に近づいていく感覚、足が地面を捉える感触、重心が移動していく様子、、といったように「スローモーションで歩くという行為を詳細に描写」するというイメージで歩きます。

結構大変です。

他にもマインドフルネス・イーティングという食べることにものすごく集中するという方法もあります。
やり方はウォーキングとほぼ一緒です。とにかく「スローモーションで食べるという行為を詳細に描写」するイメージで食べることを味わいます。

めっちゃ食べるのが遅くなります。

副次的な効果として、「ゆっくり食べる」ことになるので、少量で満足感を得ることが出来、ダイエットにも効果的です。

このように、日常生活を「ちょっと凝った小説のように詳細にその行為を描写する」という感覚で集中することで、注意力を鍛えることが出来ます。

このとき、意識が逸れたら戻すことを忘れないようにすれば、マインドフルネスなトレーニングとなります。

まとめ

まとめです。

マインドフルネスを極めることで、高可用・汎用性の高いスキルを得ることができます。
そのスキルの本質は「注意がそれたら、それに気づき、もともと注意を払っていたものに意識をもどす力を鍛えること」でした。

マインドフルネス〇〇は、基本的に「ちょっと凝った小説のように詳細にその行為を描写する」ことで自分の集中力・注意力を今している行為へ全力で注ぎ込むことです。

意識が逸れたときに、いかに素早く意識を元に戻すかがポイントであり、その力を鍛えるための手段の一つがマインドフルネスです。

それでは、充実したシステムエンジニアとして生きるために自分を磨いて行きましょう!ではまた!

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DXを理解し競争優位を手にする!SEに贈る自己投資術(後編-自己投資編)https://engineers-akademeia.com/whatsdx_and_self_invest_2/60/https://engineers-akademeia.com/whatsdx_and_self_invest_2/60/#respondWed, 12 Apr 2023 09:49:43 +0000https://engineers-akademeia.com/?p=60

Index 閉じる 前編の振り返り なぜDXが必要なのか? なぜ、経済産業省はDXが必要だと警鐘を鳴らしているのか? 我々はどうしていくべきなのか? 転職の本質とは? 今求められているSEとは? 自分を成長させる方法は? ...

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前編の振り返り

前編では、DXの定義とその重要性について確認してきました。

簡単に振り返ると、DXとは「デジタル化を使って、楽してお金を儲ける、その体質を作る。」ということでした。そして、海外に比べると日本はDXの取り組み自体が産業全体で遅れている、という状況です。

後編では、DXというビックトレンドを踏まえて今後SEがどういった行動を検討してきます。

この記事でわかること

  • DXというビックトレンドを押さえた最適な行動指針がわかる!
  • 今後のその産業でどのような人材が求められるかわかる!

なぜDXが必要なのか?

なぜDXが必要になるのでしょうか。

その理由はたくさんあるでしょうが、少なくとも次のことは言えるでしょう。

次の時代で覇権を取ると考えられているひとたちは全員がDXという名の武器を標準装備し戦っています。
つまり持っていないと最初から相当不利な状態で戦わなければならない時代がすぐそこまで来ている状態です。
例えるなら初期装備でラスボス戦に挑むようなもので、とても不利です。

すこしだけ、過去を振り返ってみましょう。
2000年代はITバブルが弾けたあと、Google,Amazon,Facebook,Appleの時代へと突入しました。
彼らの共通点は何かをデジタル化し、それによって得られたデータを活用することで巨万の富を得ました。

  • Googleはありとあらゆる情報(文字情報、位置情報、町並み、地形)をデジタル化してそれを検索できるようにしました。
  • Amazonはショッピングをデジタル化して、出かけなくても物が買える仕組みを作りました。
  • Facebookは人のつながりをデジタル化しました。それによってターゲティング広告をより正確にできるようにしました。
  • Appleは携帯電話にパソコンの機能を押し込むことで、時計やカメラなどありとあらゆるものをデジタル化し、一つのデバイスにしてしまいました。
    そして、そのデバイスから得られる情報は何を検索して、何をメモして、何を見て、いつ起きて、どこに行ったかなど、まさにその人の人生そのものとも言える情報を手にしました。

そう、彼はDXを推し進めていたのです。
つまり、これからの時代はDXが標準的な必要最低限の装備になるということになるのです。
ですので別に今のまま細々とやっていければいいや、と思っている経営者、技術者は
時代や勝ち組に翻弄されながら、生きていくことになります。

現実世界で翻弄され駆逐されてしまった例を、過去から学びましょう

その昔、電話交換手なる仕事が存在しました。※
この仕事は電話線を繋ぎ変えて目的の人と通話ができるようにする仕事です。
公的な資格もあり、立派な仕事でした。
イメージがつきにくいと思います。

昔の電話は、物理的な線が最寄りの基地局まで繋がっており、基地局から別の基地局へ繋いだりして相手の電話と物理的に回線が繋がっている必要がありました。
この電話線を物理的に繋ぎ変えて接続するという作業を人の手で行っていたのです。
スマホが普及した今、全く想像がつかないですね。

でも実際にそれをなりわいとし、生活をしている人が居たのです。
しかし、約40年前の1980年代にその職業そのものが廃止されています。

人の手でやる必要はなくなったのです。
機械が自動的に切り替えを行うようになり、人が要らなくなってしまったのです。
ある種のデジタル化と言っても良いでしょう。
そうして、電話交換手という仕事はこの世から消え去りました。

※参考:電話の普及 その背景にある技術とは

さて、話を戻すと、今DXをしない企業はどうなっていくと思いますか?

遅かれ早かれ消え去るか、DXを進めた企業に飲み込まれていくか、といったことが考えられるます。
ただ、確実に言えることは、便利なものから不便なものに戻ることは決して無いということです。

先の電話交換手が、どんなに付加価値をつけたり、あるいは参入障壁を高くしようがいずれ、とって変わられてしまいます。
この車が購入できる社会で、わざわざ馬車に乗る人はいないんですよね。
「俺はスマホはいらない、ガラケーで一生過ごすんだ」という人は結局絶滅してしまったのです。
今ではおじいちゃん、おばあちゃんも使います。

だから、経産省は何度も何度もレポートの中で、生き残るためにやったほうがいいよ、と言っています。
なぜなら、DXに取り組まないという決断が失敗である可能性が高いからです。

しかし、経産省の言うようにすべての会社がDXをする必要があるかのような論調には賛同できません。
一定数、絶滅する企業は出でくるでしょう。
なぜなら「スクラップアンドビルド」の方が安く済む場合もあるからです。
レガシーシステムの上に新しい基盤を作るより、
しがらみのない新しい基盤の上に仕組み、ものを構築する方がより良く、早く出来るものが多いのです。
(SEの皆さんならわかりやすい概念ですよね。既存システムに手を入れるのはいつだって慎重になります)

すべての企業が変化に適応するいうことは、とてつもない熱量が必要になります。
例えば、あなたの会社で使用しているPCのOSをWindowsからLinuxに変更しようとすると、ものすごい反発を受けるでしょう。それよりも、もっと大きな考え方、あり方、主義を変えるというのがDXです。

だから、流れに任せて滅びていく会社があって当然だと私は思います。
古い会社が潰れて、新しい会社が生まれるという循環は自然な出来事ように感じます。
また、社会全体という視点で見たときに、新しい基盤を作る上という意味ではコスパがいいのです。

となると、重い腰があがらない経営者の元で、やっていくのは厳しいものがあります。
というのも、体質を変えるには、従業員ではなくトップダウンの力が必要になるからです。

簡単な例で例えてみます。
あなたがダイエットして太りにくい体を手に入れよう努力しているとします。

たとえ手足が、たくさん運動してカロリーをガンガン消費したとしても、脳がもっとケーキをどか食いしろ!と命令を出し、実際に、それも夜中に実行されてしまうとどうなるでしょうか?

結局太っていってしまいます。
つまり、手足という社員がいくら末端で頑張ったところで、脳という最終決定者である経営者の考え方が変わらなければ、企業の体質を変えることは難しいのです。
だからこそ、DXは経営者のモチベーションが非常に重要となると言われています。※
そして同時に、そのモチベーションが低い経営者の元で、この先 生き残っていくのは難しいのです。

DX白書2021 2章 「絵に描いた餅にならないための「経営のコミットメント」」

DXは新時代の標準装備です。
ただし、すべての企業がする必要はないし、出来るとも思えません。
そうなると、環境変化によって絶滅する種があるように、なくなる会社は必ずあると思います。
だからこそ、どのような体の手足になるか(どの会社に所属するか)は非常に重要な選択になるでしょう。

なぜ、経済産業省はDXが必要だと警鐘を鳴らしているのか?

DXはすべての企業が実践する必要はありません。
ではなぜ、経済産業省はDXが必要だと警鐘を鳴らしているのでしょうか?

答えの要素の1つは、日本の10数年先の未来が関係しています。

少し、過去を振り返ります。
30年前、高度経済成長期のまさにピークの頃、日本は非西欧諸国で初めて世界2位の大国へと上り詰めました。
それはさまざまな要因があり、一概には言えない部分もありますが、少なくとも国民の努力や朝鮮戦争の特需といった時代背景をバックボーンとしたもので、凄まじい成長であったと言えるでしょう。

しかし、そこから30年間、日本はバブル崩壊後の長期低成長時代を迎えます。

他国が成長していく中で、日本は「失われた30年」と言われるほどひたすら低成長、現状維持を続けたのです。
その結果、はじめのうちは「高水準を維持できている」という状態だったものの、
時代の変化とともに他国が成長することによって、国民も気が付かない間に低い水準にいる状態になってしまいました。

そして今、また時代が変わろうとしています。
現代の覇者であるGAFAMなどの巨大テックが、顧客のありとあらゆるデータを一社で持ち、それを源泉に広告収入や業務改善につなげる時代は終わろうとしています。
それは、プライバシーや市場の独占などの負の面とブロックチェーンを始めとする新技術により、少しずづ変化し始めています。
そうなると次の時代の勝者は、時代の潮目を見極め、変化を感じ取り、今から準備を進めていく必要があるのです。
ある日突然勝者になるのではありません。
確かに、準備をすれば誰もが勝者になれるかというと、そうではないかもしれません。
しかし、勝者となる人は必ず相応の準備を行っています。そして、それが時代と噛み合ったとき本物の勝者となるのです。

ですから、経産省はその時代の潮目、次の時代に向けて準備すべき時が、今なのだと警鐘を鳴らしています。
ここで日本企業が次の時代で頭角を表すことが出来なければ、いよいよ日本は凋落と滅亡への道を加速度的に突き進むことになるでしょう。

我々はどうしていくべきなのか?

DXには改革が必要で、しかもそれは経営者の確固たる決断が必要。
だとすると、イチ従業員である我々はいったいどうすべきなのでしょうか?

それは少なくとも、あらゆる状況に対応出来るよう、自己研鑽を行い続けることが大事になります。
もっというと、いつでも転職できるように、転職市場で有利なスキルを身につけることです。

IPAのDX白書2021の中でも、従業員のリスキル(学び直し)についてその重要性を説いています。
なぜスキルが必要かは明確で、DXの成否は経営者に依存することが多く、そして自分でない他人の行動を変えさせるのは非常に難しいからです。

不幸にも自分が今勤めている会社の経営者がDXに疎かったり、
DXの本質を理解していないと感じるのであれば、その感覚を大事にしてください。

それは、決してあなたが情報を持っていないからではないのです。
DXの目的を思い出してください。
DXの本質は「体質を改善すること」でした。

組織としての考え方をドラスティックに変えて旧態然としたやり方を変えることです。
この目的を達成しようとした場合、経営者は従業員へ繰り返し、その意志を伝える必要があるのです。
これが行われていない、社員に届いていないのとすると、今後も体質改善がうまくいくかどうか、かなり不透明だということになります。

このように、会社そのもののあり方が重要になってきますが、役員にでもならない限り、そこまで会社を変えることは不可能です。

そうすると、一個人何ができるのか。
そう、変化に耐えれるだけの求められるスキルを身につけることです。
つまり、会社に依存しないで生きていくためのスキルや技術を身につけることです。
そして、この会社は生き残っていけない、あるいは希望が持てないとなったとき、素早く転職することが何よりも重要なことでしょう。

なぜ、変化に耐えられるスキルを身につけることが大事だと言い切れるのでしょうか。

例えば、会社が潰れたら自分も仕事がなくなってしまう人、会社が潰れても別の仕事が見つかる人、という同じ「人」という種族でも仕事が見つかる人とそうでない人が居たとします。
どちらの人が最終的に生き残っていくでしょうか。
現代では仕事=お金を稼ぐ=衣食住を手に入れることになるので、当然仕事が見つかる人というのが生き残って行くでしょう。

そのような生き残る種がどういうものであるかを体系的に人生をかけて考察した人がいます。
皆さんご存知のダーウィンです。

ダーウィンは生涯かけて作った論文「進化論」の中で、種として生き残るもの、そうでないものを研究しました。
そして、その本質を4文字で「適者生存」と表現しています。

適者つまり環境に適合している者が、生き残るということです。

もちろん、先天的に環境に適合している人もいるでしょう。
しかし、もしそうでなかったら?諦めるのしかないのでしょうか?

いいえ、諦める必要ははありません。
人には理性によって本能を押さえ、自分を変革する力があります。
これは、本能のみで生きる動物にはない、人間がもっとも優位性を持つ部分です。
進化の過程で一番最後に手にした脳の機能でもあります。

意識しなければ、本能に負けてしまう頼りない機能ですが、それは確かにそこにあります。
そして、それは世間で様々な呼称、理性、意志力、モチベーションで呼ばれています。
本質的にはすべて本能に抗って自分を変える力です。

つまり、人は動物と異なり言葉を持ち、意思によって行動や行動原理を変える力があるのだから、環境の変化に気づいて適合していけば良い、ということです。

まずは、意識をそして、行動を変えて行きましょう。
ダーウィンについて研究を行っていたある教授が変わろうとする皆さんを勇気づけるような言葉※を残しています。

「生き残るものは、最も強いものでも、最も賢いものでない。変化に対応できたものだけが生き残るのである」

※諸説あります

転職の本質とは?

とはいえ、「いきなり転職に備えてください」と言われてもどうしたらいいかわかりませんね。
転職の本質を知るために、ある有名なRPGの話をしたいと思います。
ドラゴンクエストには、ルイーダの酒場という旅の仲間を募ることが出来る場所あります。
ここでは、これからの旅の中で必要になる仲間を集める必要があります。
皆さんはどんな基準で仲間を選ぶでしょうか?

職業?強さ?性格?レベル?
いろいろ基準はあるでしょう。

しかし、たいていの方は最初に職業を選んでいるとおもいます。
回復役がほしいから僧侶を探す、魔法攻撃できる魔法使いがほしい、物理攻撃が強い武闘家か戦士がほしい、などです。

つまり、もしあなたがルイーダの酒場で勇者の一味に選んでもらう側だとすると、
まず明確にしなければ行けないのはゲームでいう職業、
現実でいうなら、何が得意・できるかということです。

なぜ最初に決めなければならないかは明解です。
こう考えてみればすぐに納得できるでしょう。

あなたが勇者だとして、「何が出来るかわからないですが、やる気だけはあります」という人を
はたしてパーティに加えるでしょうか。
よっぽど自分が強くない限り、選べないですよね。

そう、自立して生きていくためには何よりも「何が出来るか」が重要になっていきます。

しかし、もし今何も出来ないと感じていても、焦る必要はありません。
何も得意なものがないと感じる方、まずなんでもやってみましょう。

実際にやってみると合う合わないは驚くほどすぐにわかります
とにかくすぐに辞めれるように逃げ道を用意しながらその世界に飛び込んでみるのです。

Amazonを世界企業にのしあげ、自身は長者番付の上位にランクインしている全CEOのジェフ ベゾスは株主に当てたメッセージの中でこう言っています。※
「選択には2種類ある。やり直しが簡単にできるもの、やり直しが出来ないものだ。やり直しが出来ないものは、慎重に慎重を重ねて判断する必要がある。しかし、やり直しが簡単にできるものは、まずやってみることだ。たいていの人や企業はまずやってみる、これが出来ていない」と。

※Invent & Wander──ジェフ・ベゾス Collected Writings

例えば、〇〇言語をやってみたい、であれば、その言語で1行でもコード書いて動かして見ればいいのです。
このチャレンジで失われるのは時間だけです。

他にも〇〇の資格を取ってみる、○○について勉強してみるといった自己投資のチャレンジで少額のお金も失うことになるかもしれません。

しかし、得るものはそれよりも大きいものばかりです。
例えば、資格を取得したとこで年収が50万高いところに転職できたとか、社内で自分が興味がある分野の仕事をやっている部署から声がかかったなどのイベントが発生すれば、投資額へ対してのリターンが大きいと判断できます。

あるいは、ある言語をマスターしたことでその言語で副業ができた、業務の自動化ができて生産性が上がり、早く退勤できるようになって自由な時間が増えた、なども考えられます。

そんなに簡単にいくだろうか?と疑問に思う方もいるかもしれません。
しかし、世の中の成功者、そうでない人の格差の根源は、常にやったか・やらないかの差でしかありません。

どうせ出来ないから、やったって意味がないからと、何もしないことを選択し続けることでは、結局何者にもなれず、成し遂げることができません。

ただひたすら、都合よく労働力として利用され続けるだけです。

古今東西あらゆる人が、成功者とそうでない人の差について語っています。
そこで、唯一すべてで共通しているのは、「何も行動を起こせない人は絶対に成功しない」という真理です。

待っていれば何か、素晴らしいことが起こるというは、幻想です。
誰かがそのチャンスや知識を与えてくれることは、永遠にありえません。

自分を変えたい人は必ず何かを先に差し出し(時間、お金、労働力など)、その見返りとして何かを得るのです。ノーペインノーゲインの法則です。何かを得たい(ゲイン)のであれば、”必ず”痛み(ペイン)が先です。※
まずは行動を変えていきましょう。

※この原則は下記の動画で詳しく学ぶことができます。

DX時代を迎えて、SEがどうすべきかは明確です。
会社や組織などの環境に依存しない自立できるようになることです。

労働者が手っ取り早く自立するには、2つパターンがあります。

  • 転職需要があるスキルなど専門性を身につけること
  • 副業などメイン以外の収入を得ること

何がしたいか明確でない人は、とにかくなんでもチャレンジしてみることです。
成功の秘訣は千差万別で再現性がないように思えますが、成功していない人の共通点はあります。
「将来に向けて何も行動していないこと」です。

今求められているSEとは?

求められているものは時代によって移りゆき、なかなか想像することは難しいことは間違いありません。
技術の流行り廃りもあり、どの技術を追いかけるかは悩ましいものがあります。
プログラミング言語一つ取っても、Javaが覇権を取ったかと思えば、Python,Go,Javascriptなどなど、後から後から便利な言語次々と登場します。
さて、SEはどのような技術を身につければよいでしょうか?

これも答えは簡単です。
あらゆる技術を学ぶモチベーションと、学び方を知っている、つまり自分の育て方という技術を身につけること必要な能力になります。成果に結びつく努力の方法を知っている、と言い換えてもいいかもしれません。

思ったような答えではなく拍子抜けしましたか?
しかし、これはどれだけ時代が変わろうとも変わることがない、普遍の真理です。

例えばAIに関する知識が必要な場合、それを自ら学んで身につけられる人と誰かに教えて貰わないとわからない人が居たときどちらの人を雇いたいとおもいますか?
なにか未知のものに対して、自分がどのようにすればそれを理解できて、分のものに出来るか知っている人は何よりも汎用的なスキルを持っていると言えます。

それは、先のドラクエで言うところの勇者といって間違いありません。
勇者は、戦士より力が弱く、魔法使いより魔法が弱く、僧侶より回復魔法が貧弱で、武闘家より素早さが低いです。
悪く言えば中途半端、器用貧乏です。
しかし、勇者が必要なのは、物語(世界観)の中でいちばん大事なキーとなる能力を持っているからです。
ドラクエ5であれば主人公はモンスターを仲間にできるというキー能力を持っていました。ドラクエ6の主人公はたった1つの上級職をマスターすることで、勇者という強力な職業につくことが出来ました。

そして、現実世界でのそのキー能力というのが、他ならぬ「自分で自分を育てることが出来る能力」です。
これさえあれば、どこに言っても困りません。
未知を学ぶことが出来るのですから、どこに行こうとも、その時、その時代にあった技術を学び直し、適合することが出来るのです。

これからの時代は、変化が激しい時代が予測されています。
最近では、ChatGPTというAIのチャットサービスの利用者が、史上最速の2ヶ月で1億人を突破しました。instagramで2年半、TikTokで6ヶ月出会ったことを踏まえると、変化はどんどん早まっています。
これでだけ変化の激しい中では、新しい技術に出会ったときに昔の知識に固執して立ち止まってしまう人材と企業は、どんどん片隅に追いやられるでしょう。

大切なことは、つねに自分がどうあるべきか、どうなりたいのかを考えながら自分を成長させることが出来る人材です。

自分を成長させる方法は?

自分を成長させる方法は、一つではありません。
それこそ人の数だけそのやり方があります。
では、どうやってそれを見つければよいでしょうか?

その答えは、「たくさん試行して合うものを見つける」
これ以外にはちょっと考えにくいです。

皆さんは自分の好きな食べ物はご存知でしょうか?
それはどのようにして出会いましたか?
好きな食べ物を、それを食べずに決めることが出来る人がこの世に居ないように、自分を成長させる方法を、自分に試さず知る方法はありません。
いくら勉強法の本を読んだところで、実践してみなければその感覚や合う・合わないはわかりません。
食べ物であれこれ想像を巡らせた所で、食べてみるまでわからないことだらけなのです。
言葉便利です。
しかし、いくら苺の甘さを的確に言葉で表現しても、食べたときの情報量にまさる言葉はありません。
言葉は所詮、人の作りしものです。
体験に勝る経験はありません。

だから、色々な本や情報をもとに色々試してみる以外に方法はありません。
つまり、試食してみるしかないのです。

しかし、たくさんの人が好きな食べ物があるように、たくさんの人がオススメしている勉強法の中から共通部分、つまりコアをお伝えしたいと思います。

  1. やる量に濃淡はあれど、毎日つづけること
  2. 定期的に復習すること
  3. 力の入れる方向を間違えないこと

1は「1にして全て」といっても過言ではないものです。

何事も一日で達成することは不可能です。
それは当然、達成したい目標が大きければ大きいほどその傾向があります。

だからこそ、継続できなければ話にならないのです。
一日で達成できてしまうと目標いうのは大した目標ではないのです。

また、単発でやってやめてしまう、これも無駄です。
一日で出来ることはたかが知れているのに継続しないのでは、やはり何事も達成できません。
「継続は力なり」という言葉があります。
これはあたかも力の一部分が継続であるかのような印象を受けますがそうではありません。
真実は「継続のみが力である」、そう言い換えて過言ではないでしょう。
オリンピックで金メダルを取るようなアスリートが、継続して練習をやっていないということがあるでしょうか。

2、人は忘れることで生きて行ける生き物です。

忘れることが出来なければ、生きていけないのです。

あるサヴァン症候群の男の話があります。
サヴァン症候群とは記憶力が異常に良いという症状を指してそう呼称しています。
言いかえれば、忘れることが出来ないという障害とも言えます。

あるサヴァン症候群の男に、研究者が「それだけ記憶力があると世界はどう見えるのか?」、と問いました。
男は「すべての瞬間が”個別”に識別できてる」と答えました。

これは驚くべき世界を示唆しています。
例えばジョンという犬が居たとき、普通の人から見ると犬のジョンは5分前も10分前も、同じジョンであり、変わることがありません。
しかし、サヴァン症候群の男からその犬を見たとき、5分前と10分前の犬が”個別”に識別出来ています。
なぜなら個別に記憶されているからです。
だから、なぜ10分前にジョンと呼ばれたその犬が、5分前に同じ名前でジョンと呼ばれているのか理解できない、ということが起こり得るのです。

この話から得られる教訓は、人は忘れることで対象を抽象化し、情報を削ぎ落とすことで記憶に留めることが出来るということです。
前の話ではジョンの特徴を理解し、それに該当する犬をジョンと呼ぶことにしているのです。
細部まで個別と見なさないからこそ、概念を理解しそれを利用できるのです。

だからこそ、1度やっただけでなく、何度も復習しその概念を強化することが何よりも大事になります。
1度やっただけでは解像度が粗すぎ使い物にならないからです。
何度も何度も複数することで概念の解像度を上げ、利用できるようにする、その作業が必要になります。
ユダヤ人の格言の中に、このような言葉があります。
「復習は記憶するためにするのではない。復習するたびに新たな発見があるからだ」と。

3、「走り出す方向を間違えないこと」です。

ただし、「最短距離を行け」ということではありません。
自分にとっての未知の分野に関して、最短距離がわかるということはありえません。
なぜなら未知だからです。

だからといって、闇雲に走っては目的地にたどり着けません。
よくわからないけど手当たり次第にやってみるでは、たしかに行動こそしているものの、うまいやり方とは言えません。
私の未知を学ぶとき、下記の2つを意識しています。

  • それを学んで何を達成したいか(何者になりたいか)
  • とにかくざっくりでも、全体像を掴んで置くこと

とにかく、目標が大事です。
学ぶことは手段であって目的でありません。
学ぶこと自体が目的になってしまうと、
自分に不必要な知識をぶくぶくと太らせて、いわゆる「君の敗因はメモリの無駄遣い♪」という状態になってしまいます。
だからこそ、それを学んでどうしたいのかは意識しておく必要があります。

逆に目標が漠然と大きなものでも持てないのだとしたら、今それを学ぶ必要はないのかもしれません。
時間は有限です。
大事なことは次から次へとやってきます。
やらないという決断も非常に大事な決断です。

そして、全体像を掴むことも非常に重要です。
これは、その技術、分野を知る上で非常に重要なことです。
普段目にしている街の景色から、街の全体像を知ることは限りなく難しいですが、地図があれば自分が今どこにいるのか一発でわかります。

「3人のレンガ職人」のイソップ寓話の話にあるように、
目の前の1つ1つしか見えていない人と、完成形をイメージしながら、目の前の作業に取り組んでいる人とは雲泥の差があります。階段を登った先に見える景色が想像出来ている人と出来ていない人では一歩のモチベーションが明らかに違います。
目の前の1つ1つしか見えていない人は継続することが難しいことが多いのです。

未知の分野でこの全体像の把握のために、あらゆる賢人がオススメしているのが、その分野の入門書を3冊読み比べるというものです。これは本の目次を見るだけでも、大いに学びがあります。
そのこれから学ぼうとしている分野ではどの話題に興味があり、どのような分野に関心があるのか、目次を並べるだけでも十分にわかります。
そして、3冊見比べることでより偏りを排除できるのです。
こうして一歩を踏み出すことができれば、効率が悪いということとは無縁でいられます。

銀の弾丸は存在するのか?

本記事では、DXを理解し、どのようなSEが求められているのか、
求められるSEになるためにはどうすればよいかを見てきました。

簡単に振り返ると、DXとは「デジタル化を使って、楽してお金を儲ける、その体質を作る」ということでした。
つまりただ単に何かをデジタル化するだけでなく、最終的にはその企業体質を変えることが目標でした。
次に、DXをしない企業は淘汰されていく理由についてその理由を追いかけました。
そして、DXに無頓着な経営者が経営する会社からは離れるべきである理由も考察しました。
そして、たくさんの変化が予測されるこの時代に求められるSEは、自立していることが最低限の条件ということを確認しました。そして自らを育てることが出来るSEはどの時代でも必要になるということも示唆しました。
また、自分を育てるための3つの普遍の原則を提示しました。

  1. やる量に濃淡はあれど、毎日つづけること
  2. 定期的に復習すること
  3. 力の入れる方向を間違えないこと

この記事は「これをやればいい!最速で最強のSEになれる!」という、
内容を期待した皆さんにとって肩透かしだったかもしれません。

しかし、明日いきなり億万長者になる可能性が低いように、いきなりなんでも出来るスーパーSEになれることはありません

現実世界はどこまでも自分の延長線上にしかありません。
銀の弾丸はこの世には存在しません。

あるのはひたすら地道で、地味な今が連続しているだけです。※

しかし、今にフォーカスし、今を懸命に生き続けた結果、それはある時、突然やってきます。
あれ、思ったより手応えがある、前よりも話が理解できる、自信がついたと思える瞬間は本当に突然やってきます。

それはあたかも、長い長い暗いトンネルをひたすら地道に手探りで歩きつつけた先に広がる光り輝く眩しい別世界のように、突然やってきます。
そして、そのトンネルを抜けてしまうと、周りの景色がよく見えるようになり、自分の歩を進めるのが楽しくなります。
どんどん先に行きたくなります。この先に何が待っているんだろう、と。

※この地道な習慣の変更は、「Atomic Habits: An Easy & Proven Way to Build Good Habits & Break Bad Ones」が大変参考になります。Youtubeの要約もあります。

こうなれば、しめたものです。あとは興味の赴くままにひたすら、その道中を楽しむことができます。
かつて孔子は言いました。
「これを学ぶものは、これを好きなものにしかず。これを好きなものはこれを楽しむものにしかず」と。

初めの入り口は学びであったものの、やっていくうちにそれが理解でき、それが好きになり、好きでやっているうちに楽しくなってくる。学習の過程を端的に説明した名言であります。

そうして、さらに進むと、もはやゴールにつくことが目的ではなくなります。
ゴールは一過性のものです。

しかし、目的地にたどり着く道中は自分がゴールと思わない限り永遠と続くものです
そう、そこには永遠の喜びがあります。

今はまだ、それを感じることが出来ないかもしれません。
しかし、自分の育て方がわかったとき、学び方がわかったとき、人生は驚くほど輝きに満ちたものとなります。

私はかつて、暇さえあればスマホゲームで時間を溶かすような典型的なダメリーマンでした。
何か物足りない日々、そして何か漠然と不安を感じていました
新しいことにチャレンジしてみることを嫌い、耳障りの良さそうなことを言う人の言うことを鵜呑みにして生きていました。

しかし、これでは駄目だと感じ、とにかく知識をつけるのだと、本を読み漁る様になりました。
その中で、中国古典を学んだり、文学に触れたり、歴史を学び直したり、ビジネス本を読んだり、興味が湧くようなたくさんの本に触れました。

そしてそれを続けたある時、その突然その長い長いトンネルを抜けました。
私の場合、トンネルを抜ける直前は、徐々に感覚が変わっているなという意識がうっすらあるんだか、ないんだか、といったかすかな違いでした。

しかし、ある時ハッキリと知覚できるほどの違いを感じました。
それは筋トレを半年ほどつづけた結果、お風呂に入るとき、ふと鏡を見て、あれ?腹筋割れてない?と、ある時急に、しかしハッキリと、知覚できるようなそんな感覚です。

あのうだつの上がらない私が知識を沢山つけるだけで、この気持ちになれたのです。
皆さんもぜひ、この感覚を味わって頂きたいと思い、この記事を書きました。
皆さんの行動を変わることを願っています。

まずは一歩目を踏み出してみてください。
全てはいつもそこから始まります。

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