菜根譚で学ぶ処世術!中巻

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中国古典である菜根譚のある種の注釈本とも言える守屋洋さんの「世界最高の処世術 菜根譚」(SB Creative)を紹介してきます。今日はきちんと本文紹介します

今回は、お願いしますね

自分の鍛え方

このブロックでは、自分の鍛えるための心構えを説く章を2つ紹介したいと思います。

ピンチこそ、チャンス

逆境にあるときは、身の回りのものすべてが良薬となり、節操も行動も、知らぬ間に磨かれていく。 順境にあるときは、目の前のものすべてが凶器となり、体中骨抜きにされても、まだ気づかない

世界最高の処世術 菜根譚

最初からなかなか、骨太な教えを持ってきてみました。
この章は、2つ重要な事を示唆しています。

一つは、成長したければ逆境に身をおけ、ということ。
もう一つは、順境に長くいると、成長が止まる、ということ。

質実剛健な教えですが、的を射たアドバイスかと思います。
人間ですから、楽な方、楽な方へ流れていってしまいます。
もし、成長したいなら逆境に身を置く必要があることを伝えようとしています。

1年前、私はまさに順境にいたと思います。
PMとして安定稼働しているSaaSパッケージを前任者から引き継ぎ、10名程度の社員とメンバをまとめていました。
が、これが本当に退屈でした。

刺激がすくないのです。まさに順境。
「新しい技術が新しい刺激を生む」とは言いませんが、この2020年代にJavaで巨大モノリシックなJSPのWebアプリケーションは非常面白くありませんでした。

主な作業はエンハンス。
化石とも思えるJavaのライブラリを使用しながら、親会社が決めてきた要件を整理し、それを今の処理に組み込んでいくのです。ただでさえ、安定稼働しているソフトウェア。
ミスは許されませんが、慎重になるほど難しい案件でもない。まさに順境と呼ぶにふさわしい状態です。

自分が骨抜きにされていく感覚がたしかにありました。確かに仕事はあり、忙しいのですが、面白くないんです。
しかし、気心のしれたメンバーと、優秀な人材に囲まれた仕事はとにかく心地よかったことは覚えています。

結局、そこから希望を出し、転換することとなりましたが、体一つで飛び出して本当に良かったと思います。
あのまま、二年前はコンテナすらしらないエンジニアで満足していたら、未来が不安で不安で仕方なかったと思います。

今は、最新技術に触れながら、自己研鑽をしています。
新しい人やそこで出会う技術、考えはわからないことだらけですが、非常に刺激を受けました。
また、順境いたときには体験できなかった体験をたくさんしています。

この章にある通り、逆境こそが人を成長させるのは、間違いありません。
あとは自身がその覚悟を持てるかどうか、その一点にかかっていると思います。

ネガティブなフィードバックこそ、成長のチャンス

たえず不愉快な忠告を耳にし、思いどおりにならない出来事を抱えていてこそ、自分を向上させることができる。耳に快いことばかり聞かされ、思いどおりになることばかり起こっていたら、どうなるか。自分の人生をわざわざ毒びたしにしているようなものである

世界最高の処世術 菜根譚

こちらも、前章の逆境に見を置くことと似ていますが、少し趣が異なります。

不快な忠告は本当に嫌です。
「これじゃ、だめだ」「全然理解できない」「どう考えたら、この結果になるんだ」
これらのネガティブなフィードバックは、真正面から受け止めようとすると、本当にイライラします。

この原因の一つは、このフィードバックを受けると自分でやること・考えることが増えるのでストレスがかかるのです。

「ここはこうした方がいい」、「こういうふうに変更すれば理解できる」「もっと過程を可視化してほしい」と言った
”改善点の指摘”と比べると、その違いが解ると思います。

”改善点の指摘”は、すぐに行動に移すことができます。
こうした方がいいに沿って、行動すればよいのです。

しかし、ネガティブなフィードバックは、だめだったことはわかるのですが、それ以上の情報はありません。
自分で改善点を考え、試行し、あっているかどうか確かめなければならないのです。

これが圧倒的に面倒=不快な原因の一因です。
そもそも、ネガティブな事を言われて心がざわついている中で、それらを実行しなければならないのです。

しかし、これは圧倒的に成長できるチャンスでもあります。
“改善点の指摘”の場合、それがどういう思考過程を経て指摘されたものか判断できない場合が多いため、
再現性が低くなってしまいます。
これは、根本原因を特定せずに、応急処置で対応するに等しいです。
病院に言ったら、薬だけ渡されて、様子を見ましょうと言われるのが近いかもしれません。

しかし、自身で考える必要があるネガティブなフィードバックは、どこが悪かったかを”自分自身”で考える工程があるため、それが正解だった時、また同じ観点で見直すことができるので、再現性が高くなります。

だからこそ、思い通りになっている状況というのは非常に危険な状態です。
それは、”周りが合わせてくれている”のか、”周りがわかって言わない”のか、”自分が完璧”か、の3択です。
人間誰しも間違うし、欠点があります。ネガティブな指摘がないのは非常に危険な状態です。

そもそも、一番最後はありえないでしょう。
とすると、残り2つが残り、どちらもまずい状態なのは間違いありません。
ネガティブなフィードバックがきたら、ご褒美だと思って、自分で色々試行錯誤して見る心意気、これが必要です。

組織で生きるための処世術

敵を最後まで追い詰めない

有害な人物を排除するにしても、逃げ道だけは残しておかなければならない。逃げ場まで奪ってしまうのは、ネズミの穴をふさいで退路を断つようなもの。それでは、大切なものまですべてかじり尽くされてしまう

皆さんは、ちょっと前に流行った「半沢直樹シリーズ」をご存知でしょうか。
銀行員の彼が、銀行の不正を暴いていく、勧善懲悪なストーリーで広く受け入れられ、人気が出ました。

しかし、この半沢さんはクライマックスで、経営会議である役員に対して一ミリも逃げ道を用意せず、土下座を強要するという行動に出ました。結果、不正は暴けたものの、子会社に左遷させられてしまいます。

劇中その理由は語られませんが、おそらくその土下座強要をみた後ろ暗い所のある他の役員が、左遷を決めたのでしょう。
このように退路を立って、正義は我にあり、という振る舞いは、心情的にはスカッとするものの、現実的は避けたほうがいいという教えです。

逃げ道さえ用意しておけば、自爆覚悟の特攻を避けることができる、と戒めています。
追い詰められ、開き直った人間は何をするか予測ができません。
追い詰め過ぎてしまうと、後ろ足で砂をかけられるようなことも起きるでしょう。

何事もほどほどに。
予め用意しておいた逃げ道に沿って、穏便に退場いただくのが、スマートな対応なのではないでしょうか。

まとめ

もうちょっと紹介したい章がありますが、入りませんでした!
次回へ続きます。

次回予告

次回は、実際に菜根譚の言葉を引きながら以下のテーマでお伝えしたいと思います!
次回乞うご期待!

  • 人付き合いの極意
  • 事を始める前に、まず考えること

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